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フラレミ咲 ページ17

「咲夜ご苦労様」

そういった唇が私の頬に触れた。お嬢様からしたら、なんのこともないただの親愛の情で西洋式の挨拶。
お嬢様の行動ひとつで蕩けてしまう扱いづらい頭でなんとか言葉を捻り出す。

「従者として当然のことをしたまでです。」

従者。自分の誇り高き役職であり、お嬢様への恋路に対して越えられない壁の象徴。主に対して愛を抱くのはどの世界でも変わらない禁忌。そんなこと私が一番よく分かっている。

悲鳴をあげているココロに気付かないふりしてニッコリ笑う。一礼してお嬢様が瞬きするか否かのうちに部屋を出る。扉にもたれかかり一息つく前に目の前にお嬢様の妹君フランドール様がいらしたため葛藤する。が表情には出さず"どうかなさいましたか"と尋ねる。

「えーとお姉さまと何をしてたの?」

無邪気な笑みで首をかしげる様子は非常に可愛らしいものだったが笑みの奥にあるどろどろとした感情に気付き苦笑してしまう。

「見ていらしたのですね?」

「うん、で何をしていたの」

盗み見していたことをあっさり認め、逆に問いかけてきた。顔は先程と同じだが背負っているオーラが違う。どす黒いオーラは独占欲。そのあまりの強大さに知らず知らずのうちに体を震わせる。
問いかけは形式。そこに疑問符は存在しない。スカーレットの名を冠する主に値する迫力をもって訴えかけてくる。偽りを言ったら承知しないと。
そこまで読み取り苦笑を濃くする。妹様の危惧なさることなど万に1つもないのに。妹様といらっしゃる時のお嬢様は遠くにまで伝わる程の桃色の空気で妹様を可愛がっていた。
それを見たときから、いや見る前から諦めていた。私ごときでは妹様に勝てないことなど火を見るより明らかだった。
でも、私は欲深い人間だ。欲しいものには手を伸ばしてしまう。執着が強ければ半ば諦めていた想い人にも。
だから精一杯邪魔させて頂きます。
叶わぬ想いに嘆く少女にも、相手の幸福を祈る女性にも、なることができなかった私は沢山足掻いてもがいて御二人の仲を引っ掻き回します。
罵ったとしても構いません。
私はこの道を選ぶことに戸惑いはなかった。






(そんなこと言えませんよ)
顔を真っ赤に染めて照れるように答えた。

フラレミ→←咲レミ


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フランの秘蔵姉写真集


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かんな(プロフ) - リクエストて受け付けてますか?もし、受け付けているのならパチュレミをもっと書いて欲しいです(小声)出来ればでいいので…… (2019年6月1日 21時) (レス) id: d024afc4b4 (このIDを非表示/違反報告)
なめこの味噌汁 - うれしいいい うー☆ (2018年5月24日 19時) (レス) id: 7d1f6fc3cc (このIDを非表示/違反報告)
れみぃ(プロフ) - レミリア受け本当美味しい。紫レミお願いします! (2017年12月25日 11時) (レス) id: 2a70230ab5 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ - さとレミをください(;ω;`*) (2017年10月7日 16時) (レス) id: e9911c7eb2 (このIDを非表示/違反報告)
レミィぬこぬこ - レミリア総受けお願いします! 頑張って下さい!(`・ω・´ ) (2017年2月2日 9時) (レス) id: a46d8eda0b (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2016年2月21日 8時

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