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どくん…



どくん…







どくん…っ




「今…なん、て」

「左文字の三振りが、報告してきた」

「…」



絶望とは、こういうことをいうんだろうか。

屋根のある所が見つからなかった時は、たがいに身を寄せ合って眠った。一緒に昼寝もしたし、ずっと他愛もない話で盛り上がった。

彼らの中では、私は、主と認めてもらえていなかったのか。




ならば。





あいしてる、だなんて、ささやかないでほしかった。





崩れ落ちた膝は力が入らず、床に座り込んだままだった。痺れたままの手先はもう感覚さえない。政府の発明品はおそろしいものだ。

無理やり立たせられる。抵抗する気も起きない。それよりも、私の心には深くそれが刺さっていた。





「しん、じてた、のになぁ…」





今になって、涙があふれてくる。




それは、とてつもなく――――黒かった。




ごぷ、と音がした。”墨”が形を変えて私の体から噴き出す。

政府の役員が悲鳴を口から漏らす。


バケモノ、そう、聞こえた。


そうだ私はばけものだ。自分の身をくらうモノを身の内に宿して生きている。ならば、




化け物は化け物らしく、死んでやろうか。




手錠がだんだんととけていく。どうやら”墨”が喰らっているらしい。…おいしいのか?なんて変なことを考える私におかしくなる。

指に”墨”を絡ませ、地面に描いていく。





『××』





印を結ぶ。

大きな狼が私に甘えるようにすり寄った。



「…狼少女には、うってつけデショ」






---喰らえ。

.→←.



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設定タグ:刀剣乱舞 , 一期一振 , 役人
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亡王月(プロフ) - 続き読みたいィィィィいいいいいいい (2017年2月25日 10時) (レス) id: daae0ce9c5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが!!続きが!!続きがぁぁぁ!!良いところで終わってるぅぅ!!続きを待っていますぅぅ!! (2016年12月22日 19時) (レス) id: 5d7c126e76 (このIDを非表示/違反報告)
千鶴@いちごおれ - ろいど軍曹さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるなんてとても嬉しいです!重ね重ねではありますが、ありがとうございます!!! (2016年9月5日 20時) (レス) id: 49fc139959 (このIDを非表示/違反報告)
千鶴@いちごおれ - 幻想郷の神になってみたいさん» コメントありがとうございます!バイトも短期だったので、更新再開しました! (2016年9月5日 20時) (レス) id: 49fc139959 (このIDを非表示/違反報告)
ろいど軍曹(プロフ) - あああ素敵本当に素敵です感動…自分が初めて読んだ刀剣乱舞の小説が千鶴さんのこの小説だったのですが、やはり好きです 自分にとっては原点なので戻ってきてしまいます あああ本当に好きですこの小説… (2016年9月3日 21時) (レス) id: d3d55130b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千鶴@いちごおれ | 作成日時:2015年11月17日 17時

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