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＊Aside
今日も無事勤務終わって帰ろうと
スタッフ用の玄関のドアを開けると
A 「え…」
玄関から少し離れたところに
退会させられた中川さんが立っていた
なんでまた…
これじゃ出るに出られない
隆二 「なーに、帰んないの？」
残業しててこれから帰る今市さんが
靴を履き替えてドアの前まで来た
A 「あの… 外に中川さんがいるんです」
隆二 「中川さんって、前の！？」
ドアを少し開けて隙間から外を覗く今市さん
A 「はい」
隆二 「まったく、懲りねーやつだな
白嶺さん今日、車で来た？」
A 「はい…」
隆二 「よし、行くぞ」
ドアを開けて外に出てくと思うと私の手を握って
引っ張りながら歩き出して行く
A 「ちょっ、今市さん！」
なんなのよ！急に手なんか繋いでくるし
てか、すぐそこに中川さんいるんですけど！！
中川 「白嶺ちゃん、ちょっと待って！」
私の空いてる方の手を掴んできた中川さん
やめて…
汚い手で触んないで…
自分の口から言えたらいいのに
前の恐怖が蘇ってきて言えなかった
すると、中川さんの手から離れ
温かい温もりの中に包まれた
(ギュッ)
今市さん？
私いま抱きしめられてる？
隆二 「あんた、お客さんだったかも知れないけど
俺の女に手出したらマジで許さねーかんな！！！」
え？
中川 「なんなんだよ！もう！」
今市さんの迫力に走って逃げて行った中川さん
こんな今市さん初めて見た
A 「ハァ、ハァハァ…」
前回の事を思い出して息が荒くなってきた。
隆二 「大丈夫。ゆっくり息吸ってごらん」
さっきとは違う優しい声で話してくる今市さん
私は抱きしめられたまま今市さんに背中をさすってもらっている
正直、一緒にいてくれて助かった
また助けてもらっちゃったよ…
こんな女になりたくないんだけどな
A 「すいません。もう平気です
ありがとうございました。」
そっと今市さんから離れると
隆二 「俺、今日 外回りだったから歩きなんだよね
良かったら送ってくれない？」
いつもなら絶対断ってるけど、
今日はさすがに申し訳ないからな…
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作者名：emirin | 作成日時：2016年3月1日 8時
