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奈央 「やっば、練習始まる…」
トイレから急いで階段を駆け下りる。
終業式って事もあって皆んな部活やら帰宅やらで
校舎内は静まり帰っていた。
奈央 「おっと、すいません!」
4階から下駄箱のある1階へ下りて行く途中
2階の踊り場で立ち止まっていた人とぶつかりそうになった。
?? 「…あの、倉持奈央さんですよね?」
また階段を下りようとしたらその人が声をかけて来た。
奈央 「はい。えーっと…?」
?? 「男バスマネージャーで2-Dの杉浦ゆずって言います。」
同い年だけど初めて見た黒髪ストレートの女の子。
奈央 「男バス… あの、私に何か?」
可愛いらしい女の子だけど私を見る表情は何か怒ってる様子。
ゆず 「単刀直入に言います。」
奈央 「えっ?」
ゆず 「浅倉大和と別れて下さい!」
奈央 「え?……どう、して?」
初めて会った子にいきなり言われたせいか
頭の中がパニック状態の私。
ゆず 「あなたと付き合ってると大和に悪影響が出るからです」
奈央 「ちょっと待って、何でそうなるの」
ゆず 「男好きなあなたに大和が嫉妬してるんです。」
奈央 「はっ?」
ゆず 「大和がいるのに男の人とやたらと仲良くしてますよね?
なりふり構わずニコニコしちゃったりさ〜」
奈央 「……」
ゆずちゃんの言葉には1つ1つ怒りが込められてる感じ…
ここ最近は他のクラスの人にも
声をかけに行って玲於の様子を聞いたりしてたから
そこを見られてんのかな。
ゆず 「大和はあなたの事ばかり考えてます。
それで練習に身が入らなくて昨日、右手の人差し指を骨折したんです。」
奈央 「骨折!?」
そんな事大和から全く聞いてなかった…
さっきのLINEだって何も言ってなかったじゃん
ゆず 「チームのエースでインハイに出れそうなのに、試合前に人差し指骨折ってどういう事か分かります?」
奈央 「人差し指…」
ゆず 「シュートを打つときは指のコントロールが必要なんです!指一本でも感覚が変わるっていうのに…」
奈央 「どういう感じで骨折したんですか?」
ゆず 「練習中ボーッとしてるとこにいきなりボールが飛んできて下手に取ったんですよ!」
ゆずちゃんの怒りは抑まらず徐々に詰め寄って来るもんだから私も一歩ずつ足を引く。
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作者名:emirin | 作成日時:2017年5月4日 16時