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ウチの学校は中等部から繰り上がる人が多く、
高校からの外部生がごく僅かな県内でも有名な進学校。
お母さんが亡くなってからは、
最後の会話で約束した事を守って、
出会ってきた人に感謝して…優しくいたい…
そういう人になろうと決めたから中高で友達がたくさん出来た。
サッカー部の友達には玲於の事を話して部活中は面倒見てもらってる。
私は女子サッカーだから練習中は会わないからなぁ…
玲於 「母ちゃんが家のことは気にしなくていいってよ」
奈央 「え?」
玲於 「アンタ隠れて土日にバイトしてるっしょ」
奈央 「何で知ってんのよ…」
玲於 「母ちゃんが見たらしい。ファミレスのキッチンだろ?」
奈央 「絶対バレてないと思ったのに…」
ウチの学校は基本バイト禁止だけど、
自分のお金は自分で何とかしようと思って。
親に内緒で午前の部活帰りにこの町では珍しいファミレスでバイトをしてる。
玲於 「お父さんには言ってないって」
奈央 「よかった… 校則破ったらうるさいもんな〜」
玲於 「金に困ってるわけ?」
奈央 「デート代だよ。大和とインハイ前にどっか美味しいもの食べ行こうって言ってるから」
玲於 「何だ彼氏か。インハイ決まったの?」
奈央 「明日準決勝だって。
ま、行けるよ。大和めっちゃ上手いから」
玲於 「ご飯代なら親に頼めばいいじゃん。子供気がねーな」
奈央 「親に頼る年じゃないでしょ。17なんだし。
玲於もいつまでも恭子さん困らせないでちゃんと授業受けなさいよ」
玲於 「うっせ…」
玲於のお母さんの恭子さんは本当に良い人で
再婚に対しても反対はしなかった。
ただ、10歳までいつも私を見てくれたお母さんが
本当に大好きだったから恭子さんの事をお母さんとはいつまでも言えずにいる。
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作者名:emirin | 作成日時:2017年5月4日 16時