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過去編
(標準語でお送りします)
私がまだ10歳で幼かった頃。
母親 『奈央、出会いに感謝して毎日楽しく生きなさい。
誰にでも優しくね。友達大切にするのよ』
奈央 『お母さん…』
母親 『お父さんに新しく好きな人が出来ても突っぱねちゃダメだからね〜』
奈央 『… 良い子でいるからずっと見守っててね』
母親 『当たり前じゃないー!』
いつもフワフワしてて優しいお母さんは
この会話を最後に天国へと旅立った。
ウチの家は昔から工場やってて、
従業員はみんな男の人達。
女性って言ったら私とお母さんだけで…
だから産まれてから私の周りには男の人ばっかりだった。
お母さんが亡くなって6年。
私に新しいお母さんと弟が出来た。
.
〜〜3年前〜〜
17になってすぐの高2の夏前。
奈央 「恭子さん、行ってきます」
今日も前髪のない胸下まである長い髪の毛をポニーテールにして家を出た。
恭子 「はーい!奈央ちゃんと玲於、行ってらっしゃい」
玲於 「行ってきます…」
去年、親の再婚で弟になった中3の玲於。
東京から引っ越してきたんだけど
年頃の男の子は環境の変化とかいろいろあるみたいでその頃は特に捻くれてた。
授業もだけど部活もサボるし友達も作んないしで
いろいろ心配だった。
まあ当時中2の反抗期真っ最中に
いきなり長崎で新しい家族と暮らしますって言われてもね…
奈央 「サッカー部はどう?」
中高一貫の学校に通ってたから中3の玲於とも
朝はいつも自転車で一緒に登校してる。
玲於 「…あんたのクラスの人とかよく話しかけてくれる」
今は、奈央ちゃん奈央ちゃん言うくせに
私の事も受け入れがたかったのかアンタ呼ばわり…(笑)
こっちに来てすぐなんてこんな風に話してすらしてくれなかった。
奈央 「良い人達でしょ? 玲於の事も、サッカー上手いのにサボるのなんて勿体無いって言ってたよ?」
玲於 「うるせーわ…」
.
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作者名:emirin | 作成日時:2017年5月4日 16時