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声が聞こえてきて、

聞いてはいけないと分かりつつも

ここまで来てしまったし、

また電話のタイミングを伺って

変にタイミングを逃すよりいいと思った。



翔「辞めたくないです…本当に…
戻るために、頑張るんで…
でも、何よりみんなにも
心配、かけたくないし
みんなの活躍の邪魔したくないんです」


大学生だし、なんかのサークルか

クラブでも入ってるのかな。


声のトーンは落ちていた。



翔「はい、ありがとうございます
失礼します…」


切ったのを確認して

2分ほど待って、ノックした。




コンコン


翔「はい」

「失礼します」


入ると、若干涙目な渡辺くんがいて

それには触れないでおこうと決めた。


「極度の貧血で
先生が安静にしてなさいって言ってた通り、
しばらく車いすで移動してください。
倒れたりしたら大変なので、
ここ、置いておきますね。」

翔「あはは(笑)俺、元気なんだけどな」

「念のため、ですよ」

翔「あー、輸血?」


車いすをベットサイドに置き、

輸血のための準備をしながら、話す。



血液型…RHも間違いないよね…

カルテと照らし合わせて、

何度も確認する。



「はい。とりあえず、今日は輸血だけ。
明日は血小板の輸血をします。」

翔「ねー、神代さん?」


渡辺くんが私を呼んだ。



「はい?」

翔「こんな血液入ってきたら、
元の俺がなくなっちゃいそうだね」


かけた血液を見つめて言う。


言うことは、分からなくはない。

だってこれは、

自分の中で作られた血液じゃなくて

人の血液なんだから。


私が準備を終える少し前に、話を続けた。


翔「俺、周りにほとんど何も言わないで入院したんだ
迷惑も心配もかけたくなくて
だから、俺1人で半年…
まあ家族はいてくれるけど、
頻繁になんて訳にいかないし
1人で半年…闘わなきゃいけないんだ」


1人…

その言葉が刺さる。



私は…

なんて言えばいい?



どうしたら、その気持ちを助けられる?



「1人じゃない。
私も一緒に闘うから。」


言えるのはこれだけだ。

私も、これからこの病気と

治療する立場として闘わないといけないんだから。







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ココナッツ - 私はこの作品大丈夫です!色々つらい事があると思いますが理由無く低評価するひどい人に負けないでください!!とにかく、とても応援しています!(偉そうなこと言ってすみません)更新まってます (2020年7月26日 22時) (レス) id: e98faca603 (このIDを非表示/違反報告)
まるべす(プロフ) - 自己満足なら高評価を求める必要はないのでは? (2019年12月12日 17時) (レス) id: 463e250c1d (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 更新再開待ってます(*^^*) (2019年9月16日 13時) (レス) id: 1402ab76ec (このIDを非表示/違反報告)
Ami0615(プロフ) - 更新再開されるの待ってます 頑張ってください、 (2019年5月30日 0時) (レス) id: 0cc4838cd0 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - この作品大好きになりました!更新してくれると嬉しいです! (2019年3月21日 22時) (レス) id: 33ad29ddd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:gun | 作者ホームページ:http://aaaaaaaa  
作成日時:2015年1月28日 22時

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