一年後 ページ9
あれから、緑谷はボロボロのまま学校に来続けて、受験勉強は本格的になって、三人で兄さんと一緒に雄英体育祭に行ったりした。
いやぁ、兄さんが雄英生だって知られたときの爆豪の顔ヤバかった。そこいらの敵より怖かった。
ヒーロー志望ならもっと優しくなろうよ····。
兄さんと同じ雄英に行きたかったし、先生から強く押された事もあって雄英は推薦で行くことにした。
そしたらなんか熱血な人と仲良くなったし、前の世界の親友の最推しの轟君もいた。
目付きヤバかったな、うん。ちょっと怖かったよ。なんか目付き悪い人多くない？
推薦で合格したってことは、一般入試の結果発表まで暇ってことです。学校は普通にあるけど。
雪がちらちらと降っている空を見上げながら、駅前で兄さんを待つ。明日は雄英一般入試。なんとなく一緒に帰りたかった。
「····A？」
「おかえり、兄さん」
本降りになってきた雪の中、兄さんを折り畳み傘の中に押し込んで帰路を歩く。
「明日だね」
「そうだな」
「推薦で受かったけどさ」
「うん」
「二人にも受かってほしい」
「うん、そうだな」
「友達じゃないけどさ」
「うん」
「怖がらずに、話してくれたんだ」
友達って呼んで良いほど仲良しじゃない。けど、今までみたいに拒絶されなかった。
それだけだけど、嬉しかったんだ。
転生した影響で同年代からは浮いていて、こっちの世界で友達を作れたことはない。
出来ても、個性のせいで拒絶されてさよならだった。
二人には、個性を少しだけ教えた。
そしたら、うっすい反応をされただけだった。だからまぁ、二人の株価は上がったわけだ。
「受かると良いな」
「····うん」
兄さんが、不器用に頭を撫でてくれた。
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