6話 ページ7
イフリートside
「え？！何これ？！」
「あなたの炎でしょ？！」
彼女に指摘され、後ろをみれば轟々と燃え盛る自分の羽。
周囲の煙もすっかり晴れて、むしろ今、熱さを与えているのは己の力だったのだという事実に驚いた。最近はイフリートとも上手く付き合え始めてて、こんなこと無かったのに！
慌てて気持ちを落ち着け、目を瞑り、魔力のコントロールに意識を向ける。すると火力は弱くなっていき、羽も元通りに収めることができた。
__けれど、問題はここからで。
だらだらと汗を流しながら顔を上げれば、心底呆れた。と顔に書かれた彼女がこちらをじっと見下ろしていた。
「すみませんでした」
「最初は助けてくれたから…別にいい。最後に悪化させたのもあなただけど」
そして、ひとつ息を吐いた彼女はくるり、と僕に背を向けて教室じゃない方へと歩き始めたので、慌てて声をかけた。
「ちょ、どこ行くの？！」
「…他の悪魔が集まってくる前に保健室行くの」
振り向かずそう答える彼女を改めて見れば、火傷で赤くなった肌や、毛先が少し焦げた髪が目について、それが自分の炎で傷つけたことなんてすぐに分かった。ひゅっと鳥肌が立ち、頭が真っ白になる。頭から血が抜けていくような感覚がただ怖かった。
「ほ、ほんとにごめん！」
「いや、だからそれはさっきもういいって…」
「そうだ！保健室連れて行くよ！」
「は？！私だけで大丈夫だか」
「あっ、鱗見られたく無いんだよね？！」
「話聞いてる？！」
「僕の上着大きいからこれ被ってて！」
「聞いてないなあ？！……ヒッ」
上着を脱いで、被せて、彼女がすっぽり隠れたことを確認する。そして、足の裏と背中に手を回してそのまま持ち上げた。早く、速く、早くしないと、騒ぎを聞きつけた他の悪魔が来てしまうから。
「待って、ほんとにこのまま」
「しっかり捕まって」
そして、少しづつ近づいてくる喧騒から少しでも遠ざかるように、地面を蹴った。
続く (更新停止中)
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本人 - 紅しょうがさん» ありがとうございます☺️ (7月17日 22時) (
レス) id: ba52897e96 (このIDを非表示/違反報告)
紅しょうが - めちゃくちゃ好きです‼更新待っています！ (7月17日 19時) (レス) @page6 id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2023年7月14日 18時
