2話 ページ3
バビルスに入学してから2年目となると、客観的にみた悪魔のポジションは決まってくる。
賑やかなやつ、臆病なやつ、面白いやつ、暗いやつ、強いやつ、不思議なやつ、人気なやつ、その他大勢。でも、1年目から話題というか人気な悪魔というのものは学年に2人や3人はいるもので。
新学期の全校挨拶で私の前の席に座っている彼こそ、"それ"だった。
「あ、イフリートくんあくびしてる。かわい〜」
「ほんとだ」
なんて彼の一挙一動は観察され、ある種のエンタメのように持て囃されている。
ただの欠伸なのに。所詮、欠伸なのに。
私は席に座ったまま、そんな彼の広い背中をじっとりと睨め付けた。
「はあ…席が近い」
小さく、低くこぼした言葉に隣の子が苦笑する。
「まーた言ってるよ。いいじゃん、イフリートくん。強いし学年トップの2年にして位階4だよ?」
「私もそのうち4になりますけど」
「張り合ってくるね〜。でも、収穫祭の時助けてもらってたじゃん」
「…それは」
思い出したくない事実に言葉が詰まる。やっぱり1年生の時、収穫祭で若王になれなかったのは痛かった。あの時もう少し上手く立ち回れてたら今頃4だったのに。
私は水を操るから、どうしても陸地だと弱くなるので収穫祭はそれはもう思い通りに行かなかった。
そしてその中で最も屈辱的だったのは、魔植物にやられそうになった時イフリートに助けられたこと。
「助けた、助けてないの話じゃないの…」
そうあの事件がなければきっと私は収穫祭の時も素直に感謝していたと思うけど、でも起きてしまったことは覆しようがない。
それよりも私は、あの母から逃げ出すために母よりも強くならないといけないのだ。
「そういえば、今年の夏もAは一緒に海行けない?」
「…母を倒せばいけるから」
「でも、お母さん位階7なんでしょ?」
「……あと半年で7になるから、大丈夫」
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本人 - 紅しょうがさん» ありがとうございます☺️ (7月17日 22時) (レス) id: ba52897e96 (このIDを非表示/違反報告)
紅しょうが - めちゃくちゃ好きです‼更新待っています! (7月17日 19時) (レス) @page6 id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2023年7月14日 18時