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1話 ページ2

私の欲はこれまで7割、いや8割は叶ってこなった。
そういうと他力本願だからじゃない?自分から動かないとなんて、的外れもいいところな意見をたまにいただくが、動いた結果がこの状況の解決策を666個は出してからほざいて欲しい。
海に帰りたい、と幼少期から何度も両親に直談判してきたけれど、海に行くだけでもいいと妥協案も出したけれどこれまで叶ったことはない。
私は母の家系の遺伝子を特に強く継いで生まれた。
母の家系であるセルキー一族は、海の悪魔。海、水と共に暮らしてきた悪魔。
それだけなら、平凡な一族だがこの一族の最低最悪なところは、鱗を取られた相手と結婚しなければいけないところだ。この風習は大昔からあるもので、昔はセルキーを娶るためにわざと鱗を毟り取ろうとする悪魔がいたらしいが、現在は結婚したい相手に鱗を贈るという形に変わってきている。

しかし、
しかし、たまに脳が進化してない伝統的な思考を持つ悪魔がいるのだ。
そして、その悪魔こそ私の母だった。
母は、小さい頃から鱗を取ってくれた人が運命の相手と考える脳内お花畑で、少女時代水辺で遊んでいる時、見ず知らずの父に好奇心から鱗を取られてしまった。
そこからはトントン拍子にことは進み、鱗を取られたというだけで盲目的に母は父に入れ込み、結婚し、海辺を離れ陸地へと移住したのだ。
幸いなことといえば、父がいきなり鱗を取るということ以外まともで柔和な悪魔だったということだけだ。ちなみに本人になぜ鱗を取ったのかと聞けば「ちょっと触ってみたらぽろって落ちちゃったんだよね。はは、びっくりびっくり」なんて責任感を感じられない言葉をもらった。

小さい頃、なぜ海に連れて行ってくれないのか、母の故郷へ帰れないのか、聞いたことがある。
その時の母曰く、セルキー一族は己の根源である海を見ると帰りたくなってしまうため、自分は帰りたくなく、また愛する父の遺伝子がある私も帰したくない。とのことで、その自己中心的な悪魔らしい考えに私の母に対する反感はさらに膨れ上がった。
要するに、現在の私の状況は母という悪魔の欲望に身も心も縛られている、元祖返りも待ったなしな状況。

そして、そんな母の強い欲望に振り回されること17年目、強制的に通うことになった悪魔学校バビルス2年目がこれからはじまろうとしていた。

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本人 - 紅しょうがさん» ありがとうございます☺️ (7月17日 22時) (レス) id: ba52897e96 (このIDを非表示/違反報告)
紅しょうが - めちゃくちゃ好きです‼更新待っています! (7月17日 19時) (レス) @page6 id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2023年7月14日 18時

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