継子の仕事は師範のネジ拾い【伊黒小芭内】

七本【主】 ページ9

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『しのぶさん…助けてください。』

胡「あら、Aさん
　 どうされたのですか？」



悪夢のような昨日の出来事から一夜明け…



私は、蝶屋敷へとやって来た。





『師範が…師範が………馬鹿になりました！！』

胡「……いつものことでは？」

『え゛っ？！』



なんて辛辣な…。



昔の師範は、まともな人でしたよ…？




胡「さすがに柱合会議に髪を結って来たのには
　 多少の驚きと吐き気を催しましたが…」

『ちょっ、ちょちょちょちょっと待ってください！
　あのチンチクリンな髪型で柱合会議に？！？！』

胡「はい。
　 …会議の前に甘露寺さんと会ったようですが…
　 何でも、Aさんが可愛らしい男性を好むと
　 言ったとか…」

『違うんですよ！！師範は甘露寺さんに恋をしてて
　でも、甘露寺さんが宇髄さんの様に
　ガタイのいい男性を好んでいると思っていたので…
　何とか慰めようと…』

胡「……。」




何ですか？！何なのですか！その冷ややかな目は！！





胡「本当に…伊黒さんも苦労が絶えませんね」

『違います！今苦労してるのは私ですよ！！』




いきなり背後から妖怪髪結い(命名A)状態の
師範に脅かされたかと思えば…

今度は自分の髪を引き千切り始めるし…。





最終的には胸に顔を埋められて…




私は、師範の頬に真っ赤な手形を作ることに…。





昨日は本当に散々だった…。






胡「Aさん」

『…はい』

胡「伊黒さんは、病にかかっています」

『…え？』




師範が…病気？





そんなの嘘よね？…会えなくなるの？






胡「安心してください。今のところ
　 死ぬ予定はありませんから」

『…よかった』

胡「ですが、この病は厄介です」

『治せるのですか？！』

胡「そうですね…治せるとしたらそれは
　 Aさんにしかできませんね」

『私…？』



私は医療の知識は身につけていない。



なのに私なら助けれるの？







胡「伊黒さんは…
　 …貴方の言うことだけを真に受けてしまう
　 大変恐ろしい病気にかかっています」

『…………はい？』




何なんですか！その、ちんぷんかんぷんな病気は！！





胡「とにかく！発言には注意してください」

『は…はい。』





よくわからないけど…






師範！！その病気は私が治しますからね！





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