継子の仕事は師範のネジ拾い【伊黒小芭内】

六本【主】 ページ8

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『可愛いというのは…見た目の問題というより
　中身の問題といいますか…』

小「中身…」

『そもそも、私はサラサラで綺麗な黒髪が映える
　いつもの髪型の方が好きですよ！』

小「…好き……なのか？///」

『え゛っ？！』




なんでちょっと顔が赤いんですか？！




『少なくとも…今の髪型より好きですよ』

小「……。」




__ﾌﾞﾁﾌﾞﾁｯ!!




『師範？！髪の毛ちぎれてますよ！！
　もっと丁寧に解いてください！！
　いや、その前に固く結いすぎなんじゃ？！』



今の髪型より好きだという言葉が効いたのか…
目にも留まらぬ速さで結っていた髪を解いた
いや…千切ったと言った方がいいのか？





小「ところで、中身の可愛さとはなんだ」

『え…えぇ…』



そんなもの知りませんよ！！

甘露寺さんの好みが分からなくて
必死にそれっぽいこと言っただけですもん！！





ただ、まぁ…強いて言えば





『時透さんのように…甘えるといいますか…』



彼は時に少しあざとい気もしますが…。



小「時透…だと？！？！」

『ふぇっ？！』



ちょっと急に何？！鬼のような顔をして！！

えっ？！貴方の地雷って何なのですか？！





小「時透のように…か。ふむ…」

『な、何ですか…？』



私の爪先から頭までを一通り見たかと思うと
顎に手をやり何やら考え始めてしまった。



悪いですけど、私では主に身長面で
甘露寺さんの参考にはなりませんよ…

そもそも、中身だと言っていますよね？私！！







小「…失礼する」

『……は？』




急に私の脇の下に手を入れたかと思うと
軽々と垂直に持ち上げた。




『ちょっ…！師範？！何し…っ』



__ﾎﾞﾌｯ!!




『んなっ？！///ちょっ…！！

　……・・・きゃぁぁあああっ！！！！///』




突然、私の胸元に顔を埋める師範




時透さんって…そこ？！
確かに彼は、私に飛びついてきては
胸元に顔を埋めていますけれど！！！

彼はまだ十四の少年ですよ？！
師範と違って子供なんです！！！

貴方は大人でしょ？！齢二十を超えた
列記とした大人ですよね？！？！






『師範の……バカァァアアア！！！』



小「……ガハッ…」









師範を引っ叩く音と…







師範の呻き声が響く…







そんな夜でした。





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