継子の仕事は師範のネジ拾い【伊黒小芭内】

五本【主】 ページ7

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最近の師範は甘露寺さんと居ることが増えた。

もちろん私の稽古は怠らないし
優しい師範であることも変わらない。



しかし…最近少しおかしい…。






小「A…」

『何でしょうか？』

小「その……Aは、どの様な男が好みなのだ…」

『…へ？』



私の好みですか？

甘露寺さんの好みではなくて？


もしやこれは、恋愛相談というやつなのでしょうか？


甘露寺さんには、恥ずかしくて聞けない…とか？




ですが…生憎私は、そこまで甘露寺さんのことを
よく知りません…。



師範のお力になれない…。不甲斐ないです。




小「やはり…宇髄のようにガタイが良く
　 男らしい奴がいいのだろうか…」

『えっ？！』



落ち込んでる？

どうしよう…なんとかして慰めないと！





『あ、いや…そんなことないですよ！！
　普段柱の男性方達は、とても強くて男らしくて…
　ですが、時折見せる可愛らしさとか…
　そういうのがあるとやっぱり…なんといいますか
　好きになるんじゃないでしょうか…！
　宇髄さんや不死川さんでは可愛さは出せません！』

小「そうか。可愛らしさ…か」



師範はブツブツと何かを言いながら
柱合会議に向かってしまった。



この前の会議は、甘露寺さんの紹介のみで
本来の半年に一度の会議は今日のようだ。



私は今日は単独での任務があるため
本部に付き添うことができない。





『師範…大丈夫かな？』




多少心配ではあったが、私は任務に向かった。







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『只今戻りました…って、さすがに寝てるか』



結構遠方だったため、帰ってきた時には
日付が変わってしまっていた。




足音で師範を起こさないよう、そっと廊下を歩く。






小「おかえり」

『ひぃっ！！』

小「すまん…驚かすつもりはなくてだな…」



背後から突然聞こえた師範の声に驚きながらも
私は、ゆっくりと振り返った…









『え゛っ？！…し、師範？！？！』

小「どうかしたか？」

『ど、どどどどうしたんですか？！』





どうかしたか？…じゃありませんよ！！



髪の毛を左右二つに結っている師範…





何ですか？鬼の血鬼術ですか？！






小「あぁ。これのことか…」



髪を指差す師範に、そうです！という意味を込めて
激しく首を縦に振った。






小「…可愛らしい男に…と甘露寺に言うと
　 こうなった」


『…は？』







師範…頭のネジどこに落としたのですか？





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