継子の仕事は師範のネジ拾い【伊黒小芭内】

二本【小】 ページ4

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俺の継子は可愛すぎる！


そう言えば、誰もが首を縦に振るだろう。

隊士の中には本気でAを狙う野蛮な奴等が
うじゃうじゃと沸いている。



その気持ちはよくわかる。



可愛いだけではないのだ。

持って生まれた才能なのか、少し稽古をつけただけで
あっという間に階級は甲にまで成長した。


正直言って、ほとんどもう教えることはないのだが
Aと一緒に居たい。そんな俺の自分勝手な理由で
毎日稽古をつけている。

Aからはよく
『たまには休んでください！師範の体が心配です』と
言われているのだが、俺が休んだからといって
Aは休まず、一人でも修行を始めてしまう。
そうなると、俺の唯一の癒しの時間が
なくなってしまうではないか！それは非常に困る。



たまに非番の日が重なると
Aは少し申し訳なさそうに街へ行かないかと
俺を誘ってくる。…この時の表情が可愛すぎるのだ。

誘いに乗ると、弾けるような笑顔で喜ぶ。



…堪らなく可愛い。



甘味処に行けば、幸せそうに苺大福を食べるA。



…眼福。



着物や簪を買いに行きたいと言うので付き合う。

どの着物を着ても似合う。
寧ろA意外に着られるなど不運でしかない。
そう思い、試着した着物を全て買った。
それに似合う簪も買ってやれば、Aは
凄く申し訳なさそうな顔で、こんなに受け取れない。
そう言って、困った顔をした。

心配するな…俺は、自分の為にやっているのだ。


こうしてAと過ごす時間は、何よりも価値があり
何よりも俺に幸福という感情を与える時間。



そんなAの心配事といえば…


異性からの人気が異常…だということだろう。


柱の中でも宇髄、時透、不死川…そして冨岡…


こいつ等はどいつもこいつも要注意人物だ。




俺にとってAは生き甲斐である。


以前、俺の過去を話したことがある。
彼女は泣きながら「師範に幸せになって欲しい！」
そう言ったのだ。

幸せ…そんなことを考えたことはなかった。
俺は屑の一族の人間だ…幸せなんて烏滸がましい。


それでもAは
『沢山辛い思いをした分、幸せになるべきです！』
そう言って、俺の幸せを手助けしたいと言う。






そして、時同じくして 俺は甘露寺に出会った。




彼女は、直ぐに俺のAへの気持ちを見抜き
協力すると言った。






それから俺は甘露寺の助言に従って
Aを振り向かせる為奮闘している。





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