継子の仕事は師範のネジ拾い【伊黒小芭内】

十二本【主】 ページ14

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『しのぶさん！助けてください！！』

胡「何ですか。その気持ちの悪い物体は」

『師範です』



口からも鼻からも出血が酷い師範を
急いで蝶屋敷に担ぎ込んだ結果…





気持ちの悪い物体と言われました…。




胡「Aさん、その隊服は…？」

『これは時透さんに…いや、そんなこと
　どうでもよくてですね！師範の病状が悪化して
　出血が止まらないのです！！』

胡「…外にでも放り投げておけば明日には
　 出血も止まります」

『いやいや！それって心臓止まってませんか？！
　死んじゃうってことじゃないですか？！』

胡「この人はそんなことでは死にませんよ。
　 貴方が生きている限り、滝壺から落としても
　 死にません。あの世から自力で生還します」





え…えぇ…？



しのぶさんは師範のことをどのような方だと
思っているのでしょうか…？





『師範に…今のままで十分素敵な男性だと
　伝えたんです…そうしたらこんなことに…』

胡「その格好で言ったのですか？」

『はい…』

胡「……。(きっと刺激が強すぎたんですね)」

『愛を叫ぶがどうしたとか…俺だって我慢したとか…
　誘ってきたのはそっちだとか…
　…そんなことを言っていましたが』

胡「埋めましょうか」

『え゛っ？！』



埋葬ですか？！

まだ息はありますよ！！生き埋め？！






『師範…目を覚ましてください…』

胡「こうなったら仕方がありませんね。
　 強制的に目覚めさせましょう」

『へ…？』

胡「Aさんは、とりあえず私の羽織を
　 着ていてください」

『はい…』



また倒れられたら困るので。としのぶさんは言う




さて…どうやって起こすのでしょうか？









胡「伊黒さん大変です！！
　 Aさんが冨岡さんにひん剥かれて丸裸に！」

『え゛っ？！』




そんなことで師範が起きるわけ…



小「冨岡！！！！殺す殺す殺す！！！」

『……。』




起きた。




目を血走らせて起きた。





冨岡さんが不憫だ…。





『師範…』

小「A！！
　 ま、まさか…その羽織の下は…はだ…」

『着てるわ！！』

小「そ、そうか…」

胡「ちょっと見たかった…みたいな顔
　 しないでもらえますか？気持ち悪いので」



しのぶさん今日はやけに辛辣ですね…





『師範、心配かけたお詫びに時透さんの屋敷から
　私の隊服取り戻してきてください！！』

小「……。」




秒で姿を消した師範に
元気になって良かったと心から思った。





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