護ってもらっていいですか？【最強愛され少女降臨篇】

親の気持ち子の気持ち【主】 ページ27

・



『はぁー…。』

龍「本当に…気持ちは変わらんのか？」




さっきから何度も繰り返されるこの会話




私は産屋敷邸からジジィを華乃宮邸まで連れ帰った。
正直、産屋敷邸って行くまでがものすごく複雑だから
行ったり来たりしたくないんですけど…。




『あんまりしつこいと…
　…全裸にして家紋の代わりに外に張り付けるぞ』

龍「えー、ジジィそれは…ちょっと恥ずかしいなぁ」



何でモジモジしてんのこいつ。
ちょっと喜んでない？
勘弁してよ、気持ち悪いな本当に。




『とにかく！気持ちは変わらないからね！
　じゃあ大人しく家にいてくださいね！！』

龍「あぁ！！ちょっと待って待って！」

『あ゛ぁん゛っ？！』

龍「やだなぁ…そんな怖い顔しないでよ…
　 渡したいものがあるだけだから…。」

『渡したいもの？』

龍「早く早く！ジジィの部屋に来て♡」



え…普通に気持ち悪い。

部屋に来て♡ってなに？
吐くよ、ねぇ、私吐くよ？





龍「はい、これ」

『なっ…！』



渡されたのは刀とは少し違う
切先から柄頭まで全てが血のように赤黒い
刀というより…剣？




龍「これは"血脈の剣(けつみゃくのつるぎ)"という。
　 菊葉がお前のために残したものだ」

『え…』

龍「ワシはこれを本当は渡したくなかった
　 できれば一生使わないで欲しい…。
　 これを使うのは、本当に命の危機に陥った時のみ
　 そう約束してくれ」

『使うもなにも…日輪刀じゃないから
　鬼は斬れないんじゃ…』

龍「この剣には特別な"時間"が封印されている
　 しかし、剣を使用する条件として
　 使用者の時間…つまり"命"を代償にする」

『なに…それ』

龍「A、絶対に死ぬなよ」

『あっ！ちょっと！！ジジィ？！』



ジジィは部屋を出て長い廊下を歩く。


正直この血脈の剣とやらの使い道はわからないし
もう少し説明しろよと思ったけど
いいや…。私、急いでるし。






『おい！ジジィ！！』

龍「何？ジジィ今からお姉ちゃんとこ行くんだけど」

『また遊郭かよ！！』



この助平クソジジィが。


まぁでも…礼くらいは言っとくわ




『ジジィ！この剣とかよくわかんないけど
　ありがとう！！あと……
　私のせいで菊葉さん…いや、、、娘が消えたのに
　それでも私のこと育ててくれて…ありがとう』

龍「！！」




私は、再び産屋敷邸へと走り出した。









龍「…気づかれとったか
　 血は争えんのぉ…菊葉…」





・

鏑丸と怪力…【主】→←交換条件【小】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す