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ゲーム中に解読機を叩くのはあまり好きではない。

何かを叩くこと自体、

昔を思い出してならないから。


『今日のハンターはリッパーさんか……』


目がチカチカしてきたから、遠くを見た。

向こう側でナワーブとリッパーさんが楽しそうに走ってる。

こっちまで来ることはなさそうだから、

もう少しだけ解読しておこうかな。


「おや、Aさん。一緒に解読してもいいかい?」
『い、イライ、さ…ん』


一人で解読していると、

イライさんが走ってきた。

一緒に解読しても良いけど、心臓がバクバク言いすぎて怖い。

これじゃあ、何時ハンターが来ても分からない……。


「大丈夫かい、どこかに怪我でも」
『違う、ち、違います……。でも、私と一緒、に解読する…と遅くな、りますよ?』


私がそう言うと、イライさんは向日葵みたいな笑顔でこう言った。


「構わないよ。君はいつも一人で解読しているだろう?偶には2人でどうかなってね」


それにもう残り1台だけだし、

そう言われて初めて気づいた。


『あっ、ありが、とうござい、ます』
「肩の力を抜いて。さっさと解読してしまおう。今日はみんなで荘園に帰れそうだ」
『ナ、ワーブの…おかげです…ね』


人が近くにいると落ち着かない。

でも、

イライさんなら少しだけ安心できる気がした。

……本当に心臓はバクバクして痛いけど。

2人で解読を終えた。

「よっしゃ、ゲート開いたよ!」


当たりを窺っていると、

手元の端末から、機会技師・トレイシーの声が聞こえた。

イライさんと顔を見合わせ、

ナワーブをさがしながらゲートまで走ることにした。

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作者名:三千幸 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年11月24日 20時

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