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Side,Nawab ページ8
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Aはイライのことが好きらしい。
今日、アイツを廊下で見かけたときに
Aはコソコソと壁越しにイライの後ろ姿を追っていた。
声を掛ければ、
『ナワーブ、くん。お早うございます……』
と鈴が鳴るようなか細い声で応えてくれた。
ふんわりとした黄金色の髪がなびいて、
Aの優し気な瞳が僕をしっかりと捉えた。
ベール越しでも、僕にはわかる。
このタイミングだけ、いつも口角が上がりそうになる。
臆病なAは自分からアプローチができない。
だから目隠しをしているイライの青い瞳にAが映ることはないんだ。
「おはよっ、A。今日のゲームは、午後に一緒だな」
思わず嬉しくなって、少し声が弾んでしまった。
ついついAを笑わせたくて、
笑顔でいてほしくて、
いつも憎まれ口ばかりを叩いてしまう。
でも、この気持ちにいつかは気づいてほしいんだ。
こっちを向いてくれよ、A。
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