ページ ページ6
＊
もそもそ……と食パンを頬張っていると、隣のナワーブが意地悪を言ってきた。
「あいっかわらず、食べるの遅ぇな」
『うるはい……ん、です。ベーコン、あげるから…黙って、くださいね』
「そういうところ、優しいよな」
2人で会話をしていると、私の左隣にウィラさんがやって来た。
相変わらず綺麗で上品な香りの人だ。
私もこんな風に大人っぽくなれれば……。
荘園のパーティーでイライさんと一緒に踊れたら、素敵だと思う。
いつも自身が出なくて、ナワーブと一緒に踊って貰ってるから申し訳ない。
「おはよう、A。今日もナワーブと一緒なのね」
『おはよ…ございます、ウィラ。ナワーブとは、仲が良くて……落ち着くから』
「最近は他の仲間とも喋るようになって、嬉しいわ。最初は話しかけたら壁際まで逃げていたものね」
『…それは、申し訳あり…ません。恥ずかしく…て』
私がそう言うと、ウィラさんは微笑んでコーヒーカップを口元へ運んだ。
本当に……綺麗な人だな。
「おい、口開いてんぞ」
『むぐ……痛い』
ぼんやりとウィラさんを眺めていると顎を叩かれた。
地味に痛かった。
『ひどい…乙女の……顔に』
「傷なんてついてねーだろ？ついてたら僕が貰ってやるよ」
『貰う？なん、で』
「……やっぱいい。忘れろ。今度、ノートンのドーナッツやるから」
『わかった……』
私がうなずいてパンを食べ始めると、ウィラさんが隣で笑っていた。
2人でご飯を食べ終わり、キッチンへ持っていく。
『じゃ、あと……で』
「おう！」
自室へ帰り、ジョゼフさんのお茶会まで自由に過ごすことにした。
イライさん、今日のゲームでは勝てたのかな？
怪我してないと良いな……。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
