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私がそう返すと、少し彼は頬を膨らませた。
どうしたのだろうか、私は首を傾げた。
「んー?Aに優しいって言ってもらってジョゼフの野郎が羨ましいなって」
驚いた。
彼がそんなことを言うなんて。
始めてみた子供っぽい一面に、
思わず噴き出した。
「子供っぽいって、思っただろ」
『ううん…ただ、可愛いなってふふ……』
「一緒じゃねーか」
彼は少し眉を下げ、怒ったように歩幅を大きくした。
『ま、待って……ごめんなさい』
私は慌てて、追いかけた。
彼はチラリと振り返り、
「反省したかー?」
『う、はい……』
「じゃあ、傭兵のナワーブ様はカッコいいでしょうか?」
子犬のような笑顔でそう聞かれ、
私は迷わず叫んだ。
『かわいい、』
「……置いていくわ。ついでに朝食のベーコンも貰う」
『ごめって。ベーコンは駄目!』
「そんなに食ってたらブタになるぞー」
『ん!た、食べてないです…。ちょっとだけです!』
ふざけて廊下を走っていく彼を、私は早歩きで追いかけた。
「サダベー!危ないでしょう!廊下は走らないでと何度言ったらわかるの。
そんなにチェイスしたいのならAじゃなくリッパーを誘いなさい!」
「げ!ま、マーサ……」
途中で出会ったマーサに捕まったナワーブと
ナワーブを捕まえたマーサと
食堂前で合流した。
今日はエミリーがイソップ当番みたいだ。
彼の部屋へ行こうとしている彼女が食堂から出てきた。
明日はイライさんと一緒に朝食を食べたいな。
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