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Side,Eli ページ3
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『あ、イライさん……こんばんわ』
夜に中庭へ行けば、必ずこの子はそこに居る。
彼女の存在に気づいたのは3か月ほど前のこと。
夜中に相棒の目をとおして、彼女を見た。
目元、というよりは顔を覆うように纏ったベールを外さず
寝間着姿で一心不乱に夜空を眺める。
「また空を見ていたのかい?君の役職を考えれば当然だけれど」
『……いえ。私は…星はよめない、ので』
よめない、よまないのではなく。
きっと彼女にも様々な理由があるのだろう。
……私と同じように。
「そうか」
『えっと……イライさんは、どうして…ここに?』
懸命に会話を続けようとしてくれている様子が可愛らしい。
微笑ましく思いながらも、
どこか抜けている彼女は妹のようだ。
「何故って……もう何時だと思っているんだい?」
『えっと……』
「早くお眠り。さ、部屋に帰ろうか」
そう言って手を差し出すと、
彼女はそれをすり抜けて館へ走っていってしまった
「あれ…置いていかれちゃった」
私は困った顔で、隣の相棒を見た。
〇
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