【IdentityV】 Star right report 【Eli・Clark】 (ページ18)

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気だるげな感覚を覚えた。
エミリー先生が
私のバイタルチェックをしてくれる。

「うん……この場合なら大丈夫ね。
　すぐにゲームにも参加できるようになるわ」

『ありがとう…ございます、エミリー…先生』

私はそう応えながらベッドから降りた。
トンッ、と軽い音を立てて床に着地すれば
体が昨日よりも良く動くことが分かった。

「おい、何やってんだ！」

急に大きな声で声をかけられ、私はとんでもなく動揺した。

びくりと大げさに肩が跳ね、入ってきたナワーブが
申し訳なさそうな顔をした。

「あぁ、スマン……。
　もう、大丈夫なのかよ。急に起きたら心配すんだろ」

『ナ、ワーブ……ごめん……』

ナワーブの綺麗な瞳を見ると
イヤでも昨日の出来事を思い出した。

私は視線をそらしながら言葉を紡いだ。
ﾁﾗｯ、とナワーブの顔を見れば
彼はとてもショックを受けた表情をしていた。

『ちが……あの、えっと……ありが』

「行こうぜ、A。
　一緒に朝飯でも食おう」

ナワーブは直ぐに踵をかえして部屋から出て行ってしまう。

私は彼を追いかけようとして
……やめた。

そんな私を見て、エミリー先生が微妙な表情をした。

「何かあったの？
　ナワーブがいつもと違って、少し気まずそうだったけど……」

『ううん……私が、悪いから…大丈夫…だよ。
　いって、きます』

私はそう言うとナワーブを追うように部屋を出た。

＊