【cs】百瀬旧制中学校卒業証書。

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【歴史】


　遠そうでそう遠くない時代、駅近で発展した土地に建てられていた百瀬旧制中学校は、戦時中は裏山に軍が駐屯していた事から被害を受けやすい位置にあり、また小さいながらもそこそこの広さを持つ敷地は空襲の際に市民達の避難場所ともなるために特に狙われやすかった。

　戦中末期、絶対国防圏であるサイパン島が陥落すると空襲の回数は徐々に増えていったが、学校は幾度の空襲を耐えきり、天井や校舎の一部に穴を残した状態ではあったがどうにか授業を続けていた。





　しかし市全域を炎と煙が覆った大空襲では、尋常では無い数の重さ10kgの焼夷弾が家屋を貫きあっという間に火を広め、校舎も炎上して跡形も無く崩れ落ちた。
　校舎の中に取り残された者はその下敷きとなり、敷地内の防空壕に逃げ込んだ生徒達は45℃近い熱さにより蒸し焼きにされ、炎の渦から逃れようと学校の校庭に次々と集合した市民は強烈な火災旋風により飛んできた瓦礫に衝突、はたまた竜巻に巻き上げられ、別のものは吹き付ける火の粉が荷物に着火し火達磨になって死亡するなど、その様子はまさに地獄絵図であったと言われる。

　火災は2、3日収まらず連続して街を焼き続け、他県から医師団が駆けつける頃には、そこはもう「何もない土地」と化していた。

　被災後学校の校庭に医師団や衛生兵・軍医が診療所を設け怪我人を収容するも、予想を遥かに上回る人数の怪我人が集結し、そして日に日に増える死体で埋め尽くされ、学校の外にも人が並べられるような事態であった。

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