【東リべ】変わらないモノ (ページ20)

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春休みはとくにこれといった出来事はないまま。

マイキーくんとエマちゃんにも少し会いづらくて…

兄ちゃんは毎日必死に勉強していた。

留年が相当効いたようだ。

わたしはたまには出かけようと、商店街をフラフラしていた。

外を歩くと、思い出すのはカズくんのこと。

真一郎くんのこと。

真一郎くんのお店は残ったまま。
もちろん営業はしていない。

ここであの事件が………

考えただけで胃が痛くなる。

吐き気もしてくる。

それでも受け止めないといけないんだ。

兄ちゃんはもっと辛いはず。

マイキーくんとエマちゃんはもっと辛いんだ。

わたしも前を向かないと…

エマ「あれ、A？」

『エマちゃん？！』

エマ「ひとりー？」

『う、うん。暇だったからお散歩』

エマ「まじ？じゃあどっかでお茶する？」

『え！いいの！？』

エマ「もち～！」

エマちゃんは変わらず優しかった。

気まずいだなんて思っちゃってて恥ずかしい…

エマちゃんとカフェに入った。

エマ「A、元気にしてた？」

『うん…なんとか』

エマ「そか。うちもねぇ、もう落ち着いたよ」

『よかった…』

エマ「マイキーもね、なんとか大丈夫だと思う。うちが見てないと心配だけど(笑)」

『そっか。エマちゃんがしっかりしてるから安心だ』

エマ「へへへ」

久しぶりの大好きなエマちゃんの笑顔。

ほっとする。

エマ「でも、やっぱり一虎のことは許さないってマイキー言ってた」

『うん…』

エマ「Aは、一虎のこと守ってあげてね」

『へ？』

エマ「なにとぼけてんの！好きなんでしょ」

『う………』

ハハハ…エマちゃんはなんでもお見通しだ。

エマ「場地とAがいれば、あの人はきっと大丈夫でしょ。マイキーはうちに任せて♪」

『ありがとうエマちゃん』

話せてよかった。
エマちゃんの気持ち知られてよかった。

わたしも前に進まなきゃ。