関西出身声優のお仕事事情

５話 ページ5

製作者さん…？スタッフさん…？正しい呼び方は知らないんだけど、多分制作陣の人の指示に従ってとある部屋に入る。その部屋は真ん中に机、その周りに椅子…会議室のような作りになっていた。

　「では資料配りますんで、しばらくそれ見てそっから自己紹介お願いします。」

　渡された設定資料集をめくりながら周りに立っている制作陣の顔を見る。あの人はさっきオーディションのときにいたなー、とかそういうことを考えながら。

　「えっとじゃあヒロインの花澤さんからお願いします。」

　「はい、ヒロイン真柴綾香役の花澤香菜です。自分なりに頑張っていくので一緒に頑張りましょう！」

　「じゃあ時計回りに行きましょう。」

　「あ、はい。涼風凛太郎役の中村悠一です。いやこのメンバーちょっと大変そうですけど…まぁ頑張りましょう。」

　ピリピリと緊張ムードが漂っていた部屋に、和やかな雰囲気が流れる。

　「一ノ瀬隼人役杉田智和です。イベントも決定してるようなので、作品に貢献できるよう頑張ります。」

　「内野先生役小野大輔でっす！先生ってあんまないんですけど精一杯頑張ります！」

　「林田先生役神谷浩史です。作品のイメージに合うように頑張っていくのでよろしく。」

　「東田直也役福山潤です！俺が先輩役っていいのか？という不安はさておき、頑張ります！」

　「東先生役安元洋貴でーす。このメンバーなんでわりと安心してます。」

　「夏川由衣と、秋風修斗役で参加します福原Aです。最年少で、右も左もわからないような素人ですがよろしくお願いします！」

　二役って荷が重いぞ…。あと二キャラとも私が受けたヒロインと全く違う性格なんだけど…こっちの方がいいって思われたのかな？

　「えっと学園モノで、花澤さん演じるヒロインが男子たちに翻弄されるっていうやつです。12月25日にイベントを予定しています。出演者は未定です。何か質問はありませんか？」

　「特にないです。」

　神谷さんの声で、その場はお開きとなった。一番はじめの収録日は来週の火曜。私はそれまでに住む家と通う学校を決めないといけない…気が重い…。

　「さ、どうしようか。ご飯食べに行く？」

　「酒のみてー…」

　「Aちゃん、今日ってどうするの？」

　「一応ホテルに泊まろうかと。お金余分に持ってきてて良かった…」

　「よし、じゃあ無事オーディション受かったってことで！俺のおごりだー！！」

　「ゴチです！」

　これホテル…。

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