_. ページ5
.
寝そうかも、そう思ってから30分ほど経つが翔太の目はまだ開いたまま。
ごろごろと何度も寝返りを打っている様子を見ると、うまく眠れないのだろう。
「しょーた? 寝れないの?」
「んー……ねむい、のに……あつくて」
眠気と怠さから、いつも以上にぽやぽやとした話し方。
あーあー話しながらちょっと泣きそうになってるじゃん。
「も、やだ……っ、ふっか、なんとかしてよ」
「何とかってなぁ。あんまり辛いなら、熱だけでも薬頼って下げようか」
先程出した買ったものの中から解熱剤を取って、軽く振りながら翔太に問いかける。
意を決したように、それに手を伸ばす翔太。
「これ、一応空きっ腹でも大丈夫みたいだけど……今日何か食った?」
「なんも食ってない。飲みものもギリギリ……」
「ん。じゃあ薬だけささっと飲んじゃお」
水のペットボトルにストローをさして、薬と一緒に翔太に渡す。
身体を横に向けてそれを飲むと、翔太はまた仰向けに戻って息をつく。
気持ちの悪さもあるし、きっと口から物を入れるだけでも精一杯なんだろう。
経口補水液を翔太の枕元に置き、少しでも冷やせるように氷枕に変えた。
「あとは効くまでぼーっとしてな。寝るのも、焦らなくていいから」
そう言うと、翔太は小さく頷く。
それから口元を隠すように布団を引き上げた。
「……ごめん、ふっか」
「なに、なべ悪いことした?」
「なんとかしてって、ふっかに当たっちゃった」
「んなの気にしねーよ。もっと頼ってくれていいんだからな」
我慢出来ないほど辛いんだと、この状況を見れば分かる。
そんな奴に気持ちをそのままぶつけられても、別にこっちも怒ったりなんかしない。
「身体も気持ちも元気ねーんだからさ、今は仕方ないの。1人で勝手にヘコむなって」
大丈夫だから、と落ち着かせるように翔太の胸の辺りをぽんぽんと叩いた。
やっと不安そうな顔が剥がれて、穏やかな表情になってくる。
そのまま何も気にしなくて大丈夫だから、安心して休みな。
_END_
1035人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奏(プロフ) - 青藤さんこんにちは。主様のお話をまた読みたくなってしまい戻ってきました。もしよければ白さんがお熱なお話を書いていただきたいです。お時間があるときで大丈夫ですので、ご検討よろしくお願いいたします。 (2023年2月20日 17時) (レス) id: 681f9fbf66 (このIDを非表示/違反報告)
祐筆 - リクエスト書いて頂きありがとうございます。弟感、バッチリ感じさせて頂きました!作者様の無理のない範囲で、これからも執筆されることを願っております。 (2022年8月19日 11時) (レス) @page14 id: a8c345a078 (このIDを非表示/違反報告)
祐筆 - ご返事ありがとうございます。気長に待たせていただきます!このご時世ですのでお身体にはお気をつけください。ささやかながら応援しております。 (2022年6月13日 16時) (レス) id: a8c345a078 (このIDを非表示/違反報告)
青藤。(プロフ) - 祐筆さん» ありがとうございます!リクエスト承りました。ただいま下書きに書きかけのお話もあり、そちらが完成し次第取り掛かりますのでしばしお時間いただきます。 (2022年6月13日 1時) (レス) id: 721ee07ec6 (このIDを非表示/違反報告)
祐筆 - はじめまして。以前から閲覧させて頂いてます。リクエスト宜しいでしょうか?赤さんが過労でアクロやダンスが上手くいかず落ち込んでるのに気づいた同い年3人(紫、桃、青)が赤さんを弟扱いして慰めるお話がみたいです。作者様が可能であればお願い致します。 (2022年6月12日 1時) (レス) id: a8c345a078 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:青藤。 | 作成日時:2022年5月4日 22時