それなら子どもでもいいか/赤と白 ページ1
_side Red_
今日は曇り空。
もしかしたら雨が降るかもしれない……そのくらい重くて黒い雲が空を覆っていた。
そんな中での外ロケ。
しかも『山の中でアクティビティを体験しましょう!』って……この天気で大丈夫かな。
どんよりした空模様をロケバスの中で眺めていると、隣にいたラウールが「ねぇ」と話しかけてくる。
「舘さん、今日のロケ大丈夫かな? 雨降らないといいね」
「そうだね……雨天でも楽しめるとは言ってたけど、降らないに越したことはないからね」
はぁー、なんて溜息をつきながらラウールは頬杖をつく。
天気のせいもあるのか、お互いに気分が上がりにくい日。
それに連日の疲れもあって、数日は怠さが回復しないまま過ごしていた。
今日の疲れは明日に残さない……なんて思っていても、難しいのが現実。
それを忘れて、ちゃんと切り替えをして仕事に臨まなきゃ。
*
結局小雨が降る中、ロケが始まった。
レジャー施設の中で身体を動かして、その後に山中の敷地内をバギーで走って……
なるほど、泥を飛ばしながらラウールを見ていると溌剌としていてこれはこれでいい絵かもしれないと思えてきた。
俺もラウールに続いてバギーを走らせて行くと、素直に楽しかった。
びゅんびゅんと通り過ぎる風を感じていると、思わず夢中になってしまう。
「めちゃめちゃ楽しかったです! また乗りたい!」
「思わず童心に帰って楽しめましたね」
ロケ前のテンションがひっくり返り、純粋に楽しかった感想を伝え合う。
そのまま無事にロケが終わると、お互いを見て笑い合った。
「ヤバいね、フツーに楽しんじゃった」
「本当にね。ラウール大丈夫? すっごい泥ついてるけど」
「それ舘さんもだよ。それに……結構濡れたよね」
ラウールに言われて自分の姿を見ると、着ていた衣装には沢山泥が跳ねていて、雨で全身濡れていた。
ロケの中盤から大分雨脚が強くなっていたようだ。
……それに気付いてしまうと、急に寒さが込み上げてくる。
身体の中は火照っている気がするのに、外の空気が冷たい。
「舘さん大丈夫? すごい震えてる……」
.
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奏(プロフ) - 青藤さんこんにちは。主様のお話をまた読みたくなってしまい戻ってきました。もしよければ白さんがお熱なお話を書いていただきたいです。お時間があるときで大丈夫ですので、ご検討よろしくお願いいたします。 (2023年2月20日 17時) (レス) id: 681f9fbf66 (このIDを非表示/違反報告)
祐筆 - リクエスト書いて頂きありがとうございます。弟感、バッチリ感じさせて頂きました!作者様の無理のない範囲で、これからも執筆されることを願っております。 (2022年8月19日 11時) (レス) @page14 id: a8c345a078 (このIDを非表示/違反報告)
祐筆 - ご返事ありがとうございます。気長に待たせていただきます!このご時世ですのでお身体にはお気をつけください。ささやかながら応援しております。 (2022年6月13日 16時) (レス) id: a8c345a078 (このIDを非表示/違反報告)
青藤。(プロフ) - 祐筆さん» ありがとうございます!リクエスト承りました。ただいま下書きに書きかけのお話もあり、そちらが完成し次第取り掛かりますのでしばしお時間いただきます。 (2022年6月13日 1時) (レス) id: 721ee07ec6 (このIDを非表示/違反報告)
祐筆 - はじめまして。以前から閲覧させて頂いてます。リクエスト宜しいでしょうか?赤さんが過労でアクロやダンスが上手くいかず落ち込んでるのに気づいた同い年3人(紫、桃、青)が赤さんを弟扱いして慰めるお話がみたいです。作者様が可能であればお願い致します。 (2022年6月12日 1時) (レス) id: a8c345a078 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青藤。 | 作成日時:2022年5月4日 22時