22「俺がそうしたいので」 ページ22
了承のメールを送ると、すぐに鳴る着信音。
『……もしもし。つわはすです』
電話越しに、落ち着いた低音が聞こえてきた。
『すみません、こんな夜分に』
「もう寝るだけだったし、大丈夫」
特に用事はないんです、と彼は息を吐く。
『……ただ、その。声が聴きたくて』
言った後にうわっ、と自分で小さく声をもらし。
『やばい、俺、気持ち悪っ……何言ってんだろ……は、恥ずかしい……』
「ぷっ」
口元を手で覆う彼の姿がなぜか容易に想像できて。くすくす笑う。
「分かってるよ。心配、してくれてるんだよね？………ほんとに平気だから。ありがとう」
『……あの』
「ん？」
『無理、しないでくださいね』
静かな言葉は短かったけど。核心をえぐられた気がした。
『Aさんは心配しないでって言うけど。やっぱり、心配させてください。俺がそうしたいので』
「………」
『もっと、頼ってください。俺、後輩で、頼りないですけど。Aさんの、力になりたいです』
「参ったな、これじゃどっちが先輩だか分からないや……」
苦笑し、髪を指に巻き付ける。困ったときの、私の癖。
「………ほんとはね、こわかったの」
男の酒臭い息と手つきを思いだして体を抱き締め。
ゆっくりと吐き出す私の言葉を、つわはすくんは遮らずに静かに聞いてくれる。
「……でね、アブさんったらひどいの！ほんともう、セクハラばかり！」
………最終的には、なぜかアブさんに対する愚痴になっていた。
『でも、アブさんの気持ちも分からなくはないです。すごく癪ですけど』
「え？」
『いろいろ、悩む隙を与えたくなかったんでしょう。Aさんの中の恐怖を、早く別の感情で満たしたかったんでしょうね……例えば、アブさんに対する怒り、とか』
「それは……」
何となく、分かっていた。
目的のためなら、憎まれ役すらも引き受ける。
彼はそういう男だと。
最近では理解しはじめてきた。癪だけど。
『逆に、俺は。そのときの嫌な感情を無理に忘れるんじゃなくて……吐き出してほしいです。できたら、俺に』
「ん……ありがと。少し、すっきりしたかも。つわはすくんは、大人だね」
『いやいや、俺なんて、ゲームを前にしたら、ただの餓鬼ですよ』
「つわはすくんの実況、見てみよう」
『や、恥ずかし……』
それから、一時間くらい、実況や趣味の話をして。
どちらからともなく、おやすみを告げる。
何だか今日はぐっすりと寝れそうだ。
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こっとん。(プロフ) - ぬかみそファブリックが…！こんな所で見れるとはw (2017年10月16日 8時) (
レス) id: f1d6e76849 (このIDを非表示/違反報告)
潮風夕凪＠磯勢 - んぴゃぁぁぁぁぁぁ殺凪さんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぴゃぁぁぁぁぁっぁん (2015年8月16日 12時) (レス) id: 6ce84fee74 (このIDを非表示/違反報告)
春雨パスタ(プロフ) - こんばんは。春雨ってやつです。文才が超↑ヤバすぎますね。ハイ。絵も高クオリティーですしおすし。あ、ところで、P-PのハムスターのDCP(だっけ？)の由来ってなんですk((ｺﾞﾒﾝﾅｻｲｲｯｶｲｲｯﾃｷﾏｽ。 (2015年6月20日 21時) (レス) id: 4c276c06bb (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑姉(プロフ) - そうさん» こんばんはです。コメントありがとうございます。某長谷部さんかっこいいですよね。私も大好きです。後半からは、錆鯖ワールドから外れまくってますが、よろしければ引き続きお付き合い頂けると嬉しいです。 (2015年1月18日 20時) (携帯から) (レス) id: a3d733735d (このIDを非表示/違反報告)
そう(プロフ) - 他の方もコメントで書いてるように、アブさんが某長谷部でニヤニヤしちゃいます！！私もあのアニメ漫画両方大好きなので！！！まだ途中ですが最後まで読むのが楽しみです！！ (2015年1月18日 16時) (レス) id: 9b92361085 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑姉
| 作成日時：2014年11月19日 15時
