ににの彼女はテミナペン-7- (ページ28)

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夏休み-東京-2 ページ28

「間も無く当機は着陸態勢に入ります。座席の位置を元に戻し...」

JI「うぉっ...!」

海外経験豊富なAと比べ、ほとんど飛行機の経験がない俺

離発着時の揺れる飛行機に戸惑う俺の手をきゅっと握ってくれる彼女

『ふふっ、ほらにに! みてごらん』

指差す方には近づいてきた東京が見える

俺たちが景色に夢中になっている間に飛行機はガタンっと大きくひと揺れして着陸に成功した

「...到着地東京の天気は晴れ、気温は28度...」

Aと外国に来たなんて不思議な感覚だ

機内の周りの席はスーツ姿のビジネストリッパーと夏休みの旅行から帰る日本の大学生ばかりだった

JI「A、シンジュク行きのバス、あと30分で来るって!」

『入国審査と荷物の受け取りしたら1時間くらいはかかるよ?』

JI「え、じゃあその次のバスかちょうどいいくらいかな」

『うん! 楽しみ～! シブヤとハラジュクも行けるかな!』

ヒョンの取ってくれたホテルはシンジュクってとこにある

Aが楽しみにしてるシブヤとハラジュク、お祭りのあるアサクサ

どこも有名な観光地らしくて、日本語が分からない俺たちにはちょっと気が楽

手慣れた様子で税関を抜けるAに着いて行って、到着ロビーに

『ね! 写真! いっぱい撮ろうっ!!』

甘えん坊だけど大人っぽくも見えるA

いっぱいはしゃいで笑ってほしいな

東京らしいポスターの前で2人顔を近づけて、この幸せな時間をカメラに収めていく

JI「行こっか」

バスのチケットカウンターに寄って、シンジュクを目指す

2人してバスからの景色に目を輝かせて、何もかもが新鮮で変な気分になる

『あっ! あれ! スカイツリー!!
アサクサの近くってオンニが言ってたの!』

JI「うわっ、デカっ!」

周りのオトナたちが爆睡してる中、終始はしゃいでた俺たちは1番目にバスを降りて、

心配した俺のヌナが印刷して持たせてくれたホテルへの地図を解読しながら、

きゅっと手を繋いで歩いた

『スミマセン check-inシタイデス!』

オンマに借りたガイドブックにあった"使える日本語"をマスターしたAは楽しげにホテルマンと話している

『にに、パスポート!』

JI「あ、はい」

２つ重ねてお兄さんに渡してニコっとするから、

お兄さんも終始ニコニコ

きゅっと手を握って俺を安心させてくれる彼女

「お待たせしました、1105室です」

『うわぁぁぁ!!』

"ご褒美"じゃ済まない最上階の綺麗な部屋

ヒョンにお礼言わないとな...

JI「さ、行こうか?」

トウキョウ観光、スタート