ににの彼女はテミナペン-7- (ページ27)

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夏休み-東京-1 ページ27

規模は違えど［父親が経営者］という共通項があるAと俺

夏休み

俺はいつも午後だけのクラスに追加して、午前中の夏季特訓クラスを3週間受け持った

Aはお父さんの出張に一緒について行ったり、
社員一人ひとりと仲良しなのを活かして人事部のお手伝いをして勉強をしたり、
会社に貢献したみたい

そして、そんな俺たちにそれぞれの両親から与えられたご褒美...

"東京旅行"

2人で日本に旅行に行くことになった

旅行って言ったって、世間から見ればまだまだコドモな俺たちだから、

一泊だけ、それも帰りは夕方までに、とチャニョリヒョンに約束をして予約を取ってもらった

『ね! ににっ!!
この日東京でおっきなお祭りがあるんだって! わたし行ってみたかったの!』

Aが差し出した画面には、日本語で書かれたチラシのPDFのようなもの

色鮮やかな和風ピンスや花火、屋台の写真が付いていて、

JI「これ、着たいの?」

そう、愛おしい彼女が目をキラキラさせる理由は"ユカタ"だ

『うんっ!』

Aの部屋の大きなソファの上

きゅぅっと横から抱き着いたお姫様

その手にある画面はもうすでにお祭りではなく、ユカタの通販サイトだった

絶対着せてあげたい...

"ユカタ"姿の可愛いAを見たいなぁ、って心の底から思って

JI「楽しみだな、ユカタ!」

それを着ること自体じゃなくて、俺が楽しみなのはそれを着た彼女の笑顔を見ることだけど

『ふふっ、うん!』

"ににはこの緑色のユカタ、似合いそうだね!"って、俺も着るのか!

JI「あっ」

パソコンのあるデスクに移動して、本格的に"ユカタ"を選び始めた彼女を見つめていると

赤を基調とした、可愛らしいウメ柄のそれ

なんとなく、Aにはこれだって、

ビビッときたっていうのかな、この感覚

『にに、これ好き?』

JI「好き...っていうか、Aが着たら綺麗なんだろうな、って...」

言ってて恥ずかしくなってきた俺をよそに、

ポチっ

JI「え!! それでよかったの?!」

Aはすでに支払い画面を確認していて

『ふふっ...だってAが欲しいのは、ににが似合うと思ってくれるユカタだもん
売り切れちゃったら困るでしょ?』

時に驚くほど物事を即決する彼女

それが的確なんだから、さすがというか

［経営者］の血を引いてるからかな、なんて思う

『ほら、ににのも選ぶんだからねっ?』

あれこれ言いながらAが選んでくれた"ユカタ"を着るのが、俺も凄く楽しみになった