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結論から言うと、ハニのクローゼットには壁があった。
物が多い上に洋服や鞄、靴が乱雑に詰め込まれてきて見えにくいけれど、かかっている洋服をかきわけて奥へと手を伸ばせば、指先にざらざらした壁が当たる。俺の部屋と続いてなど、いない。
「まじで、つながってるんだ……」
「なんだよ、勝手に服持ってったりしてないよ」
「……」
「おい、頭おかしくなったのか？」
「そうかも……」
後ろからハニの「はあ？」と呆れた声がする。けれど、俺がクローゼットに向かってぼうっと突っ立っているから、いよいよ心配になったのか「お前本当にどうしたの？」と茶化すのをやめて聞いてくる。
開けたときの勢いはどこへやら、そっと扉を閉める。
振り返ると、ハニは被ったTシャツからすぽんと頭を出し、不思議そうに俺を見ている。
「ハナ、その、部屋に変わったことない？」
「部屋に？ いや、特にないけど」
「クローゼットも？」
「うん、ないよ」
「そっ、か」
「なんかあったの？」
「今朝……いや、なんでもない」
「なんだよ、そこまで言ったなら最後まで言えよ、気持ち悪いだろ」
「俺もまだわけわかんないんだって。ああ、ハニの見てるアニメじゃあるまいし……」
「はあ？」
「とりあえず準備してくる……」
「やー、なんなんだマジで」
ハニがぶつくさ言う声を無視して自室に戻る。
自ずと視線はクローゼットへと向かう。少し迷い、そして俺はまたクローゼットの扉に手をかけた。
先ほどと変わらず、俺の荷物の奥に見える、彼女の荷物。
悪いとは思いながら、ハンガーラックにかかる服を一枚掴んで裾から手を入れる。まるで探偵……いや、変態か泥棒だ。手探りで見つけた洗濯タグを引っ張って服を裏返す。タグに書かれていた言葉は日本語で、洗濯記号も韓国で見るものと違う。念のため他にも2、3枚確認してみたけれど、どれも同じだった。
彼女の服を手に取ったまま、再び立ち尽くす。本当に日本なんだ。
ハニの言うとおり、俺は頭がおかしくなったのかもしれない。
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菜々(プロフ) - 続きが楽しみです。更新されるの心待ちにしています🥲 (3月20日 17時) (
レス) @page45 id: 6590863194 (このIDを非表示/違反報告)
に - いつか更新されますように。 (2月2日 0時) (レス) @page45 id: 832e916a41 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 初めまして。この作品を読んで癒されて、思わず一気読みしてしまいました！本当に好きなお話で続きがとても読みたくて思わずコメントしてしまいました。更新を楽しみにしています。 (1月26日 21時) (レス) id: 055f1baafa (このIDを非表示/違反報告)
夜明 - すごく面白かったです！次の更新が楽しみです！ (1月15日 21時) (レス) @page45 id: 9cb33f84df (このIDを非表示/違反報告)
belle(プロフ) - 初めまして！このお話好きすぎて心が癒されました。少しずつでも更新楽しみにしてます。 (1月3日 1時) (レス) @page45 id: a2ba23688b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gigi | 作成日時：2023年3月7日 21時
