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ブランドのロゴが胸に入ったTシャツは大きくて、全然肩の位置が合っていない。濡れないようにまくった袖を元に戻すと、私の手は指先まですっぽりと隠れてしまった。
袖口を指先でつまんで、顔の前にもっていく。いいにおいする。柔軟剤なに使ってるんだろう。って、へんたいか私は。
歯も磨いて洗面所を出ると、彼の姿はまだキッチンにあった。
この部屋を選んだ理由のひとつである、カウンターキッチン。
人が立っている姿をこちらから見るのは初めてだ。それがヒョンジンなのが、余計に不思議。
友達でもない。ただの知り合いでもない。どういう関係かと言われると、お隣さん？ でも正しくは、お隣さんでもない。そんな男の子がうちのキッチンでおかゆを作っている。
ぺたぺたと裸足でキッチンに入っていき、小鍋を火にかけている彼の隣に立った。彼は「ん？」と一瞬こちらを見て、手元に視線を戻す。「悪いけど、レトルトだよ」
宿舎に住んでいると言っていたっけ。おたまでおかゆを混ぜる姿が意外と様になっている。
袖捲りした腕に浮く筋。細いと思っていたけれど、女性とは違う厚みのある胸。長い金髪はハーフアップにされていて、横顔の輪郭を際立たせている。
私の視線に気付いた彼がこちらを見る。私も彼の顔を見上げる。すると、ぽすん、と頭に彼の手が乗った。
「できたら持っていくから、ベッドにいていいよ」
そして、優しくなでられる。
……子ども扱いするの、ずるい。
少しの物音に大袈裟に驚いてみせる、ちょっとおばかなところもあるはにかみやの年下の男の子。クローゼットがつながっているだけの、それ以上でも以下でもない関係のひと。だったのに。
急に、男の人に見えてしまった。
「……はい」
ベッドに戻って布団をかぶる。
調子狂う。体調が悪いせいだ。体調を崩すと心がさみしくなって、誰かに甘えたくなるから。そのせい。
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菜々(プロフ) - 続きが楽しみです。更新されるの心待ちにしています🥲 (3月20日 17時) (
レス) @page45 id: 6590863194 (このIDを非表示/違反報告)
に - いつか更新されますように。 (2月2日 0時) (レス) @page45 id: 832e916a41 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 初めまして。この作品を読んで癒されて、思わず一気読みしてしまいました！本当に好きなお話で続きがとても読みたくて思わずコメントしてしまいました。更新を楽しみにしています。 (1月26日 21時) (レス) id: 055f1baafa (このIDを非表示/違反報告)
夜明 - すごく面白かったです！次の更新が楽しみです！ (1月15日 21時) (レス) @page45 id: 9cb33f84df (このIDを非表示/違反報告)
belle(プロフ) - 初めまして！このお話好きすぎて心が癒されました。少しずつでも更新楽しみにしてます。 (1月3日 1時) (レス) @page45 id: a2ba23688b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gigi | 作成日時：2023年3月7日 21時
