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「そういえばAさんってなんで韓国語話せるんですか？」
「高校の時に韓国から日本に転校してきた子がいてね。その子はもう韓国に帰っちゃったんだけど、今でも連絡とってるの。韓国語はその子が教えてくれてる。あんまり上手くないけどね」
「いや十分伝わるし、すごいですよ」
「ありがとう。ヒョンジニも日本語少しわかるよね」
「はい、ちょっと勉強しました。ええと、犬は"わんちゃん"」
得意げな顔で、突然の犬。
あの日以来、私たちは、顔を合わせれば少しばかり会話をするようになった。
特別時間を決めてはいないし、いつもクローゼットを開けているわけでもない。だから数日顔を合わせない日もあれば、一日に何度も会う日もある。話すといっても時間にするとほんの数分。洋服のカーテンの向こうに互いの姿が見えると、「あにょはせよ」から始まり、「今日も仕事？」「今日韓国(こっち)寒すぎる」「夕飯何食べた？」などと、取り留めのない会話を数ラリーして、長くなる前にどちらからともなく「おやすみなさい」や「いってきます」、「それじゃあ」と切り上げるのだ。
それから、彼は私の許可なく目隠しになっている洋服を除けたり、こちらのスペースに入ってくることは一度もない。もちろん私も同じく、暗黙のルールは守っている。
だから彼との会話はあまり負担にならず、徐々に私の生活の一部に溶け込んでいった。
それから、話をする中でヒョンジンは私より2つ年下だとわかった。
敬語じゃなくていいと彼が言うので彼にもそう言ったけれど、わかりました、とさっそく敬語で返ってきたのは彼の性格か、韓国の文化か。
韓国は上下関係に厳しいと聞いたことがある。無理強いするものではないし、特に気にしていない。むしろ、敬語の中に時々フランクは言葉遣いが混じるは、これはこれでいいかも、なんて思っている。
変わったことといえば、彼の印象は大きく変わった。
はじめは静かで控えめなひとだと思った。顎を引きこちらの様子を観察するような目をして、舌足らずな口調でゆっくりと話す姿は、私との間に何重にもバリケードを張っているようだったから。
けれど少し警戒心の溶けた彼は、クールに見えた第一印象よりもだいぶ陽気でかわいい子だった。
彼のテンションは日によって少し違くて、「"ぼくはー、あー、おかしぃが、すきです"」なんてほほえましい日本語が飛んでくると、ご機嫌だな、なんて思ったり。
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菜々(プロフ) - 続きが楽しみです。更新されるの心待ちにしています🥲 (3月20日 17時) (
レス) @page45 id: 6590863194 (このIDを非表示/違反報告)
に - いつか更新されますように。 (2月2日 0時) (レス) @page45 id: 832e916a41 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 初めまして。この作品を読んで癒されて、思わず一気読みしてしまいました！本当に好きなお話で続きがとても読みたくて思わずコメントしてしまいました。更新を楽しみにしています。 (1月26日 21時) (レス) id: 055f1baafa (このIDを非表示/違反報告)
夜明 - すごく面白かったです！次の更新が楽しみです！ (1月15日 21時) (レス) @page45 id: 9cb33f84df (このIDを非表示/違反報告)
belle(プロフ) - 初めまして！このお話好きすぎて心が癒されました。少しずつでも更新楽しみにしてます。 (1月3日 1時) (レス) @page45 id: a2ba23688b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gigi | 作成日時：2023年3月7日 21時
