【文スト】 いただきます、したら 『うずまき』 にいました。 にっ！

その58　『ミイラ男の正体』 ページ10

「またこうなりましたね…」


「私は初めてだけどね」


『元はといえばあんたのせいでしょうが…』




三人仲良く私の帰路を辿っている

どうやら、探偵社の社員寮は私の家と同じ方面にあるらしい。


夜遅くに女の子一人は危険、という事で私、太宰さん、中島さんの三人で帰ることになった。




のはいいのだが…





『「「…」」』




会話が続かねぇ！！


先程から絶望的なほどに会話がない！



こういう時の太宰さんなんじゃないの？

いつもヘラヘラ頼んでもないことまで喋ってる癖にこういう時だけ喋んないのなんで？？



一言も声を発する人がおらず、物凄く気まずい



このままじゃいけない

そう思った私は



『あぁ！！ そ、 そうだ！ 中島さん、 川のミイラ男の話知ってます？』


「…？ 初めて聞きました」




学校で聞いた噂話をする事にした




『なんでも川の付近を歩いているとびしょ濡れになった包帯まみれの男の人が話しかけてくる…とか』


「…へ、 へぇー…。 もしかしなくても…それって」



ちらり、と横を見る中島さん

視線の先には自 殺、だとかなんとか物騒な言葉をつぶやく太宰さんがいる




「…太宰さん、 よく入水してますよね」


「もしかしなくてもそれは私だね」


『はぁ！？ み、ミイラの要素…あ、 包帯か！』




太宰さんに注目してみると身体の至るところに包帯が巻き付けられている。

どうして今まで気づかなかったんだろう





『なんだ…本当に只の噂かぁ』


「ミイラ男だなんて…失礼だよね〜」


『やっぱり只の噂ってわけでもなさそうですね！？』


「普通の人は入水も包帯ぐるぐる巻きもしませんからね…！！」



本当に女の人に声掛けてそうな気がするのは私だけ…？

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