【文スト】 いただきます、したら 『うずまき』 にいました。 にっ！

その73　『軽くなったお財布』 ページ26

「これが噂の…！！ 一回来てみたかったの！」


口元にホイップクリームをつけながら、頬を膨らませている幼女ことエリスちゃん。

急に私の手を引っ張りだした、と思ったら交差点のど真ん中に位置する屋台の前で止まった。

それは、クレープ屋さん。

店員さんがクレープの皮を薄く広げているのを見て、なにやら嬉しそうにしている。

…可愛いなぁ…


『お、 美味しい？ …エリスちゃん…』


「ええ！ とっても！！ …？ Aはなんでお財布を逆さまにしてるの？」


『…小銭が出てこないかなあと思って…』


最近のクレープというのは、予想以上に値打ちが高い…ようだ。

身を持って体感してしまったため、お財布が非常に軽くなってしまった。


…とほほ…。

貯金だけじゃなくて今月のお小遣いまで…


「なんでそんな変な顔になってるの？ 美味しく食べないとクレープに失礼よ！」


『この顔は元からかな…そうだね、 せっかくだし…』


お金の事はもう忘れよう。

早速、ホイップクリームと苺がクレープの皮に包まれているクレープをぱくり、とひとくち食べる


『…おいっしぃ！？』


「でしょ？」

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