シエル学園と秘密のメモ帳 (ページ7)

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事件・スゴウデ執事3 ページ7

「はじめまして、レク・ロマネスクです。」

「私はルビー・モーリス。あれ……なんでメイド服なの？」

「これは私の私服です。」

レクちゃんの私服はメイド服、そうメモ帳に書いて記憶する。これ、しかり！彼女はメイドさんの経験があるのでは？なら、ロッドくんにお手本を見せてもらえないだろうか。

「ロッドくん、皿洗いをマスターしたいようなんだけど、よかったらお手本を見せてくれるかな」

「お手本……わかりました。ルビーさんがそのようにおっしゃるなら」

ロッドくんは首を傾げる。不思議そうに口をぽかんと開けた。

「レクはこういうの得意なのか？」

「私の家は代々、従者です」

「ええ！？すごいな！なんかカッコイイ！」

「ありがとうございます。ロッド」

ロッドくんが目を輝かせ、レクちゃんの皿洗いをする姿をじっと観察する。私もすごい家系だと言われると、期待が高まる。新星・幼きメイド！なんて記事特集とかアリかも。

レクちゃんはその期待にあっさり答えた。かなりのスピードでお皿を洗っていく、テンポは一定で、全ての皿は手抜きなどないピッカピカだ。

「すっげー！！レク、本当にすごいな！」

「基本はしっかりとです。」

うん。その通りなのは分かる。基本の範囲を越えていた気もする、何より早すぎて目で追うのがやっとだった。こ、これは天才少女なんて記事も書けるかも！

「ロッドくん、参考になった？」

「え？カッコイイなーって思ったけど、見えなかった！」

「そっか、私も目で追うのがやっとだったし……レクちゃん、もう1回頼んでいい？」

「すみません。この後は用事があります。あと数分で、次の用事に移らなければ」

そういって、レクちゃんはお辞儀して去っていく。その背中を見ながら、ロッドくんは私の裾をちょこっと握ってみせる。

「いいなあ、レクは……俺と同じ歳なのに、あんなにすごいんだ」

悲しそうな表情を浮かべて、俺もいつか……と小さな声で呟く。これは本当に何か役に立てたらいいけど……。

「誰か他の人にアイデアもらえたらいいんだけど」

「俺、クラスメイトに聞いてみる！ほら、ルビー先輩も誘いに行こう！」

また、グイグイと腕を引っ張られる。ロッドくんは思い立ったらすぐ行動に移すタイプ、そうメモ帳にワードをいれた。