事件・スゴウデ執事完 ページ11
私は誰がなんと言おうと、彼を褒めたいと思う。私も彼を抱きしめてあげた。
「よかったね!よかった……」
「へへっ、うん!!」
感動に浸ってしまいそうになった時のこと、どいてくざさいまし?と1人のお姉さんが厨房を通った。その姿はどこからどう見ても、メイドさんである。
「スゴウデ執事だよ!!あれ、絶対!!」
「え……でも、あんな人いたっけ」
私の記憶にもメモにもない、その存在に私は首を傾げる。ロッドくんはパァァと嬉しそうに彼女をじっと見ていた。
そんな外野を気にすることなく、お姉さんは大量の食材を、とんでもない速さで調理していく。そして、瞬きもせぬうちに、豪華なデザートが目の前に現れる
「さあ!ご主人様にこのデザートをいち早く!届けなくてはなりませんわ。そこの、赤い目!こちらを届けてくださるかしら」
「え、え……!?」
いや、誰に?それより、あなたは?数々の疑問がありながら、私はその豪華なデザートを受け取った。私は困惑しながら、ロッドくんととりあえず厨房を出て、食堂の中心部にやってくる。まだ、時間が早いので、誰も食堂にはいない。
そんな中でロッドくんはある人物を見つけて、駆け寄っていく。
「あ、タナトス!」
「ふぁ〜……ロッド……おはようございますぅ……」
「お前、こんなとこで何してんだ?」
「ちょっと……おなかがすいて……まほうをつかって……むにゃむにゃ」
ま、まさか!あのメイドさんはタナトスって子が召喚したの!?そんなすごい魔法……いや、夢ある魔法が!私の好奇心が彼について知りたいと言っているが、今はやめとこう。やめておくべきだよ。
「はい、そのメイドさんから」
「わ〜……むにゃむにゃ……ありがとうございます……ロッドも食べます……?」
「わ、いいの!!食べたい、けどその前に……」
ロッドくんはタナトスくんにあるお願いをした。内容は執事になるために、タナトスくんの魔法で呼び出したメイドさんに特訓をお願いすること。実に彼らしいお願いだった。
彼は将来きっと夢のスゴウデ執事になるだろう。
寮の部屋で、ロッドくんについて書いていたのだが、それが面白い内容だ。
「……よし」
ロッドくんみたいに、私も諦めずに努力して、いつか守護騎士団の記事を書きたい。だからこそ、私はこれから、皆についてもっと知ることにしよう。
新たな道に希望を持ちながら、私はそのスゴウデ執事の記事を閉まった。
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作者名:MIO | 作成日時:2020年1月7日 19時