ゼラニウムー君ありて幸福ー ページ10
ゼラニウム
この話は
ゼラニウムの花言葉である
「君ありて幸福」
の話
彼と彼女の末路は
どうなるのでしょうか
あやかしを愛した少女と
人間を愛したあやかし
二人を結ぶためには
どちらかが
あやかしか人間に
なるしかないのです
そして出雲の人間には
本当に愛した者にだけできる
特殊な力があるのです
少女の母親は
同じ道をたどったようですよ
愛した者を救うことに
したのですから
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
出雲の人間には特殊な力がある
本当に愛した者にだけ
有効な力
その者の血を飲み
そして自分の血を与えることによって
その者は救えることができる
ただしこれは
出雲の人間があやかしに
なることも意味している
あやかしは
人間から嫌われている存在
だからこそ
人間からあやかしに
なる者などいない
でも私は
齋を愛しているから
緋彩「私ね
齋とならなんだっていいんだ
齋がいればそれだけでいいの
齋ともっと一緒にいたいの
だから私はこれでいいの
後悔なんてしないよ
齋がいてくれれば幸せなんだから」
齋「緋彩....」
私は齋の唇に
自分の唇を当てた
緋彩「好きだよ....齋」
齋「いいの....かよ....それで....」
うん、と頷いた
齋「俺も....好きだよ....緋彩」
わたしは小さなナイフで
自分の手首を切った
齋は手首を流れる血を飲む
緋彩「んっ....」
私は齋の傷口から
流れる血を飲んだ
緋彩「あぁっ！」
体中が痛い
体があやかしに作り変わるから
齋の傷は塞がっていったのを見て
私は意識が途切れた
最後に聞こえたのは齋の声
齋「ごめんな....ありがとう
愛してるよ....緋彩」
そんな齋に手を伸ばしていた
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作者名：りんご | 作成日時：2014年7月31日 22時
