8,ごめんなさい ページ9
《Aside》
「A!何処行ってたの!?」
……。
私の屋敷の前に立っていた彼。
本当に今日は運がついてない。
『……時透君』
「えっ……?」
彼は心配そうに私の顔を覗き込む。
『蓮花と一緒に居たんだ』
それくらいは音で分かっちゃうよ……
『私……邪魔だったよね、ごめんね、本当にごめんなさい』
「えっA、何言って……」
『ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
−私は昔から謝ることしか出来なかった。
《無一郎side》
その時のAはいつかのAとそっくりだった。
ものすごく儚くて、今にも消えてしまいそうで。
いつもの姿からは想像出来ない。
『ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……』
「……A!」
どうしたら良いのか分からない。
ノイローゼになったみたいにごめんなさいを繰り返すAを放っておくわけにはいかない。
でも触れたら壊れてしまいそうだ。
俺は、Aの、恋人なのに………情けない。
「……お姉ちゃんの馬鹿。」
気づくとAの前に一つの人影があった。
「そんな事したら、無一郎さん困っちゃうよ?今更だよ、今更過ぎるよ、いつも気付くの遅いの何で?」
『何に?』
「人の優しさ」
「姉さん、甘えたらいいじゃない?」
「何で甘えないの?」
「姉さんが甘えないから皆困っちゃうんだよ?」
Aの目の端から涙が頬に一つ筋を付けた。
56人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三日月晩霞(プロフ) - わぁ過去最高196位!みなさん、ありがとうございます (2020年11月14日 21時) (レス) id: a76c167dce (このIDを非表示/違反報告)
三日月雫 - ネタ提供ありがとうございます!輝夜さん、そのネタ、使わせていただきます!まさかここまで早くコメントしてくれるとは(泣)本当にありがとうございます!! (2020年4月30日 8時) (レス) id: af5538bb52 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - いつも更新お疲れ様です! 夢主ちゃんの口周りに食べ物(クリームとかご飯粒的な奴)がついていて、それを無一郎が取って、食べる。そして、美味しいと言って赤面させるというのはどうですか? (2020年4月29日 22時) (レス) id: 4d34a234b5 (このIDを非表示/違反報告)
三日月雫 - 誰か、ネタを!お願いします! (2020年4月29日 19時) (レス) id: af5538bb52 (このIDを非表示/違反報告)
三日月雫 - そんな事無いです……//今後も応援よろしくお願いします! (2020年4月28日 11時) (レス) id: af5538bb52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:猫毒 | 作成日時:2020年4月27日 20時