28,花火 ページ31
【善逸side】
「よし、今日のミッション☆コンプリート!よくやった、お姉ちゃん!」
不意に叫ぶ蓮花さんにビビる。
「善逸くん!やりましたよ!」
「…何が?」
「お姉ちゃんと無一郎くんの雰囲気がやっと恋人らしくなりましたよ!」
嬉しそうに笑う蓮花。花が咲いたような笑顔だ。
最愛の姉が幸せそうだから。
「…蓮花の世界で一番好きな人はお姉さんだよな」
[あんな酷いこと]をされてもずっと待ってた。
最初から俺の入る隙なんて無かったんだ。
俺と蓮花は付き合っているわけではない。
俺が一方的に彼女を好きなだけだ。蓮花は優しいからそれに付き合っているだけ。
だから今更蓮花の一番大事な人が俺じゃないことに疎んでも仕方ないのに……
「あっ、善逸くん、花火始まりましたよ!」
先程の俺の言葉は聞こえなかったのか。いや、無かったことにされたんだろう。
蓮花の隣で空を見上げる。
ほら、こんなに恋人らしく花火見物してるのに、手は繋がれない。
綺麗な蓮花を褒めることすら躊躇われる。
「……私の世界で一番好きな人は三人いますよ」
不意にボソリと呟かれた。
「まずは私自身。お姉ちゃんと_____」
ヒューーーードォン!
「え?」
花火と歓声の音で聞き取れなかった、
「私、世界で一番好き________は、笑っていてほし_____だから善逸さ_____笑っ__________」
所々しか聞き取れない。
「ごめん、なんて?」
「もう、耳いいくせに!」
蓮花は笑って俺の頰を手で包み込む。
え、え、何されんの…?
なんとなく雰囲気を察知して目を閉じる。
暫くして…
ニュイ
頰が結構強い力で上に引っ張られた。
「いひゃい、いひゃい!」
「善逸さんには笑っていて欲しいんです!」
蓮花ちゃんはニコッと微笑んで、背を向けると、かき氷の屋台に向かってしまう。
「いってー、これ絶対跡残るって…」
頰をさするも…どこか口角が上がってしまった。
【蓮花side】
善逸くんを大分ないがしろにしてしまった。
最終的に仲直り出来たから良いけど……
でも、今の最優先事項は姉さんだ。
彼女を今すぐにでも、人生で一番の幸せを味わって欲しい。
『過去をふりかえってはダメよ。覗き込んだら最期……』
今でも頭にこびりついてる、恐怖の声。
私と姉さんは元々ひとつの存在。運命共同体。
多分、姉さんは……
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三日月晩霞(プロフ) - わぁ過去最高196位!みなさん、ありがとうございます (2020年11月14日 21時) (レス) id: a76c167dce (このIDを非表示/違反報告)
三日月雫 - ネタ提供ありがとうございます!輝夜さん、そのネタ、使わせていただきます!まさかここまで早くコメントしてくれるとは(泣)本当にありがとうございます!! (2020年4月30日 8時) (レス) id: af5538bb52 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - いつも更新お疲れ様です! 夢主ちゃんの口周りに食べ物(クリームとかご飯粒的な奴)がついていて、それを無一郎が取って、食べる。そして、美味しいと言って赤面させるというのはどうですか? (2020年4月29日 22時) (レス) id: 4d34a234b5 (このIDを非表示/違反報告)
三日月雫 - 誰か、ネタを!お願いします! (2020年4月29日 19時) (レス) id: af5538bb52 (このIDを非表示/違反報告)
三日月雫 - そんな事無いです……//今後も応援よろしくお願いします! (2020年4月28日 11時) (レス) id: af5538bb52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫毒 | 作成日時:2020年4月27日 20時