26,凄い人 ページ29
「ご、ごめんなさい、無一郎くん…」
手拭いでしっかり顔を拭いたから、もう大丈夫だろうけど…
「…いや、大丈夫」
「大丈夫じゃないですよね、それ。いつもだったら毒舌吐いてきますよね。というか何でちょっと嬉しそうなの、怖いんだけど!?」
「…Aが投げてくれたクレープが僕の顔に…」
「投げてくれたって何!?まさか避けることもできたんですか!?いや、避けろよ!」
なんかニマニマ笑っている。
失礼だけど…ちょっと…ちょっと気持ち悪い。
やっぱり今日の無一郎くんは様子がおかしい。絶対あの本のせいだ。
後で宇髄さんの家に凸ろう。
クレープ屋を出てからは絡繰人形を見たり、綺麗な陶器を見たりと歩いて回った。
驚いたのは無一郎くんの人気ぶり。
大道芸を見に行けば、「おいそこの旦那、ウチの団に入んないかい?」と訊かれる。
香具師のところに行けば、「貴方の恋人、就職先に困ってない?指先の動きが器用よ」となんか誘われる。
多分詰将棋で連勝したから。
射的に行けば欲しいものは全部打ち落とすし。
やっぱりこの人有能だな。
私金魚掬いすら出来ないのに。
「無一郎くんは凄いね…」
「…?そうかな、というか惚気?」
「違います!」
…忘れてた、無一郎くんを照れさせる話でした!
改めて決意を固める。
「次は此処行こーよー、私、楽しみにしていたんだー」
無一郎くんの手を引いて屋台に直行する。
「棒読みだけど」
「うるさい」
入ったのは蜂蜜専門の屋台。というか露店?
甘ったるい匂いが店の中を満たしている。
そう、私がここにきたのは、蜂蜜の味見で先程のクレープの件の仕返しをするためだ。
スプーンで蜂蜜掬って、無一郎くんを顎クイして、驚いてる間に無理矢理押し込む。
これぞ完璧な計画!
いざ、出陣!
「この蜂蜜、色も匂いも美味しそうだね♡味見してみよ♡」
「…そうだね」
「てんちょぉ、これ、味見してもいいですかぁ?」
「あいよ、そこの小壺に指突っ込んで舐めな」
「はーい♡…は?」
なんかとんでもない事聞こえた気がする。
ーーーーー
実際、大正時代にはクレープは日本にありませんでした。作者が書きたいから書いただけです。←
蜂蜜専門店があったかも分かりません。ですが、原作で甘露寺さんがパンケーキ作って(?)たんで多分ありますよ、多分。
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三日月晩霞(プロフ) - わぁ過去最高196位!みなさん、ありがとうございます (2020年11月14日 21時) (レス) id: a76c167dce (このIDを非表示/違反報告)
三日月雫 - ネタ提供ありがとうございます!輝夜さん、そのネタ、使わせていただきます!まさかここまで早くコメントしてくれるとは(泣)本当にありがとうございます!! (2020年4月30日 8時) (レス) id: af5538bb52 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - いつも更新お疲れ様です! 夢主ちゃんの口周りに食べ物(クリームとかご飯粒的な奴)がついていて、それを無一郎が取って、食べる。そして、美味しいと言って赤面させるというのはどうですか? (2020年4月29日 22時) (レス) id: 4d34a234b5 (このIDを非表示/違反報告)
三日月雫 - 誰か、ネタを!お願いします! (2020年4月29日 19時) (レス) id: af5538bb52 (このIDを非表示/違反報告)
三日月雫 - そんな事無いです……//今後も応援よろしくお願いします! (2020年4月28日 11時) (レス) id: af5538bb52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫毒 | 作成日時:2020年4月27日 20時