無一郎君が酷いから酷くしてみた結果の研究レポート

２４,そんなこと。 ページ27

「ねぇ〜ねぇ〜むいちろぉー」

甘ったるい声で腕を無一郎くんの腕に絡ませる。

勿論、お胸を腕に押し付けることも忘れない。

自分の思う、所謂モテテク満載女を演じ切ってやる！


「なぁに？A」


…まだ平然とした顔ですね、無一郎くん。

まぁ、今に見てなさい！年頃の男の子だもの、むっつりなんでしょ！
しれっとした顔の奥で鼻血が止まらないのを私は見抜いている！

「わたしぃ、くれーぷってやつ、食べてみたいな♡」
「いいよ」

やはり私に心中ではデレデレの無一郎くん。
即答しましたね？

私ほど甘いものが好きではない無一郎くんが、あんなくりーむ？とやらがどっさり盛られてる甘味が食べられましょうか？いいえ、無理です！

可愛い可愛い彼女にアーンしてもらって食べるクレープなんて、甘すぎて全ての男が自然に還るのよ！鼻血で失血死しちゃうんだから♡

さぁ、準備は揃いました！

目の前には真っ白なくりーむが顔ほどはあろうか、とにかくこんもり薄い生地の上に乗っている。
赤いのは…苺か。

今の季節、それなりに値段は張っただろうに、気前よく買ってきてくれた無一郎くんは相当私に惚れていると見た！

ではスプーンを握りましょう。

苺と生地を小さく切って、くりーむを掬います。

無一郎くんのニコニコしてる口元に持っていきます。

そして口が開いたタイミングで…思いっきり突っ込みます！
口の中に甘味を入れさせたらミッションコンプリート！

…………のはずなのですが…

「何やろうとしたの？」

なんか恐ろしい笑顔で私の手首を硬く握っております彼氏様がおります

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