無一郎君が酷いから酷くしてみた結果の研究レポート

２０, 花だらけ？ ページ21

『え、え、え、え、ちょっ、蜜璃さん！？どうしたんですか、まさか、それ……』

「ふふふ、ちょっと張り切っちゃって」

『ちょっとの量じゃない……』

蝶屋敷に引きずり込まれ、正座させられたと思いきや、蜜璃さんは物凄い量の化粧品を取り出した。

全部で1キロ超えているのでは……？

「後は着物、着物……っと」

更に禰豆子ちゃんが入っている木箱10個分の衣類。

着物って、そんなにかさばる……？

ただ見ているのも申し訳なくて、木箱の一つを持ち上げようとしたら……

『重っ……』

「あら、Aちゃん、座ってていいのよ？ほら、重すぎるでしょ？」

……蜜璃さんが特異体質なのを、忘れてた……。

どうしようもないので、座らせてもらう。

柱なのに……。

もうちょっと鍛錬しないと……。

情けない。

「じゃあ、着物を選んでくれるかな？」

一頻り落ち込んでいるうちに、私の前に着物がずらりと並んでいた。

どれも綺麗ですけど……。

ですけど……。

『あのー蜜璃さん。何で全部、花の絵柄？』

花火の柄とか一松模様とかも普通ならあるんじゃ……？

「あ、あら？そ、そうねえ……？」

『しかも、藤の花の柄が多いですけど……』

並べられた五着中、三着が藤。

後は桜と菖蒲。

私のイメージは、こんなお淑やかな感じでは、断じて無いのですが……。

「たまたまかしら？あはは……」

蜜璃さんの顔が引きつっている。

明らかに怪しい。

まあ、どれも綺麗だし……。

『なら、これにします』

「分かったわ！キュンキュンしちゃう出来上りにするから、覚悟してね！」

蜜璃さんはにっこりと笑う。

伊黒さん、こんなところに惹かれたのかなあ？


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

禰豆子ちゃんの着物の麻模様は、厄除けになるみたいですよ！

改名&順位更新ありがとう！→←１９，支度

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す