♯四十八 ページ49
Aside
「A！ここ教えて！」
「先に話しかけんな、日向ボケェ！」
『わっ、落ち着いて、ふたりとも』
私は今にもケンカを始めそうなふたりをなだめる。
午前中の練習を終え、午後から聞いていた通り、勉強時間になった。
学年ごとに部屋が分かれていて、この部屋には１年が全員揃っている。
１年が集まっただけあって、とてもうるさい。
集中力がないよ、みんな。
『それで、分からないとこってどこ？』
「ここ!!」
そう言って、テキストに人差し指を置く日向君。
『ここはね………』
そう、教えようとすると、
「答え見て、写せばいいじゃん」
横からの声。
しかも聞き捨てならない発言だ。
『ダメだよ国見君。答え見て写すなんて。
日向君も名案だなって目をキラキラさせないで！』
もう、国見君ったら。
私はちょっと怒りつつ、ため息を吐いた。
「俺にも、ここ教えてくれ」
そう言って、影山君がプリントを差し出して来た。
『影山君。
いいよ』
私はプリントを受け取る。
理科か………。
ちょっと苦手だけど、分からないわけではない。
『えっと、まずは』
説明を始めようとした時、手の中からプリントが消えた。
「国見………！」
「これぐらい自分で考えなよ。
ちょっと来てA」
『え、え、国見君？』
私の手を取り、引っ張っていく国見君。
連れてこられたのは人気のない廊下で、私は壁に背中をつけさせられた。
「俺が、合宿前に言った事、覚えてる？」
『う、ん。まぁ………』
俺が合宿で１番頑張るのはAをホレさせる事だから、だよね。
「なんか、合宿中に何人もホレられてさ、俺の事、眼中になかったかもしれないけど、俺、本気だからね」
真っ直ぐ見据えられてドキッとした。
「今、及川さんと付き合ってて、それを邪魔するのは不本意だけど、でも、仕方ないでしょ？
Aを誰にも渡したくないんだから。
目移り、すんなよ」
そんなに真っ直ぐ見られたら、胸の中まで見られているような気がするから、本気にやめてほしい。
そんな目をされたら逸らせないよ。
『国見、くん。
あのね、私』
「言わないで！」
いきなり声が大きくなった。
私は驚くしかなくて。
「まだ、言わないでよ。
お願いだから………」
ギュ、と強く抱き締められる。
国見君の鼓動、早い。
ドキドキしてるんだ………。
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naonao(プロフ) - あ、誤字ってた。とにかく尊い。二次元に行きたい。 (2021年10月16日 6時) (
レス) @page18 id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 及川さんをさらに好きになってしまった私、 (2020年7月19日 12時) (レス) id: 8019d53cec (このIDを非表示/違反報告)
研ｶﾞｰｽｰ - ( ＾∀＾)ﾇｧｧｱｧｧ!!!!!!!!皆かっこよすぎて貧血状態です( ；ii；)あとめっちゃ面白いです！！！頑張って下さい！応援してます(*´ω｀*) (2018年9月8日 0時) (レス) id: 306d9c59e9 (このIDを非表示/違反報告)
にこり - やばい///////影山がドストレートすぎる (2018年8月20日 2時) (レス) id: f92f00bf1a (このIDを非表示/違反報告)
なんとかさん - あっ…及川さん最高(鼻血ﾄﾞﾊﾞｰ (2018年8月8日 23時) (レス) id: 932ae8584a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクラ | 作成日時：2018年7月8日 21時
