♯四十六 ページ47
及川side
お互い、黙って歩く。
誰もいない廊下に俺達の足音だけが響いて、ちょっと不気味だ。
"でも、及川さんだって、ずっとAちゃんを好きとは限らなよ"
赤葦君にそう言われた時、Aちゃんは言葉に詰まった。
一度別れを経験している俺達。
よりは戻ったけど、まだ不安なところがあるのかもしれない。
Aちゃんを不安にさせる自分は、なんて惨めなんだろう。
「俺、Aちゃんが好き」
立ち止まってそう言う。
『っ、私だって、徹先輩が好きです………!』
ギュ、と後ろから抱きつかれる。
涙声で、震えている。
俺は本当に不安にさせていたんだな。
「俺は、何があってもAちゃんが好きだから。
だから、悲しい顔しないでよ」
『徹先輩………、私の顔見えないじゃないですか』
「うん。
でも、そんな気がする。
泣きそうな顔してる気がするんだ」
『っ………』
「もう絶対、不安にさせないから」
・
そのまま立って寝てしまったAちゃんをマネージャーさん達に託し、俺はベンチに座る。
「なんでAちゃんが貴方を選んだのか、少し分かった気がします」
そう言って、俺の横に座る赤葦君。
「赤葦君さぁ、普通好きな子にあんな事言う?」
「言いませんよ、普通は。
でも、Aちゃんは特別なので、つい感情的になってしまったんです。
それに、俺、どんな手を使ってでも貴方からAちゃんを奪うって決めているので」
「絶対渡さないけどね。
今回の件で、またちゃんと好きって確認できたし」
「分かってると思いますけど、Aちゃんを狙ってるの、俺だけじゃないんで、気を付けてくださいね」
赤葦君はそう言って、どこかに言ってしまった。
「本当、Aちゃんだけは渡したくないんだよな………」
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naonao(プロフ) - あ、誤字ってた。とにかく尊い。二次元に行きたい。 (2021年10月16日 6時) (レス) @page18 id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 及川さんをさらに好きになってしまった私、 (2020年7月19日 12時) (レス) id: 8019d53cec (このIDを非表示/違反報告)
研ガースー - ( ^∀^)ヌァァアァァ!!!!!!!!皆かっこよすぎて貧血状態です( ;ii;)あとめっちゃ面白いです!!!頑張って下さい!応援してます(*´ω`*) (2018年9月8日 0時) (レス) id: 306d9c59e9 (このIDを非表示/違反報告)
にこり - やばい///////影山がドストレートすぎる (2018年8月20日 2時) (レス) id: f92f00bf1a (このIDを非表示/違反報告)
なんとかさん - あっ…及川さん最高(鼻血ドバー (2018年8月8日 23時) (レス) id: 932ae8584a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクラ | 作成日時:2018年7月8日 21時