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♯10 ―spade ページ10

「湖山さん、記録どうだった?」


投げ終えた湖山を里志が捕まえた。


「うん、まぁ。そこそこ。」

とかいう湖山は俺との差5メートル以内だ。
まぁ、俺の記録もすごいわけではないのだが…。
一応男子生徒なのでな、女子よりはとんでるわけだ。

「湖山さんは短距離派?それとも長距離?」
「私は短距離だな。」
「ホ―タローは?」
「…。」

俺はそこまで運動神経はよくないぞ、里志。
言わんでも分かるだろ。

それよりも、湖山。

「女子の中に居なくていいのか?」
「お前はアホか。いなくていいからここにいんだろうが。」

湖山は腕を組んだ。
そして、「あーゆーのは面倒で嫌いなんだよ。」と本当に嫌そうに言った。

「でも確かに湖山さんは女子に囲まれてるイメージは無いよね。」
「…その言い方だと男子に囲まれてるみたいな言い方で嫌だなぁ。」
「ごめんごめん。訂正するよ。
 人に囲まれてるイメージないよね。」
「一匹狼ってやつだろ?私はそれが好きだなぁ。」
「どうしてだい?」
「わーわーきゃーきゃー言ってんのがうざいんだ。
 おまけに騒いでる理由がカッコいいだのカッコよくないだの…
 見た目で判断されまくってる方の身にもなって見やがれって言うんだ。」
「湖山さん、大人だね。」

それには俺も同感だ。
自分の考えがあって一匹狼を選択してるのだから…。
湖山は「大人、ねぇ。」と呟いた。

「折木もそうじゃねぇの?」

俺か?

「俺は、省エネなだけだ。」
「は?」
「面倒なことはしないんだよ、ホ―タローは。」

湖山は「変わった奴だな、お前。」と言った後に
「まぁ、そういう方がいいだろうね。
 いいね、その省エネの考え。」

俺のポリシーが褒められる日が来るとは…想像していなかった。

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(プロフ) - ちゃめさん» 『ちゃめ』さん、コメント&応援ありがとうございます☆ (2012年9月2日 19時) (レス) id: ea0f0213a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リュウ | 作成日時:2012年9月2日 1時

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