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♯7  ―spade ページ7

翌日…。


体育の授業は他のクラスと合同でやる。
なので、親友の里志がこちらに手を振っていてもおかしくないのだ。

「今日身体測定なんだってさ。」


…さすがに巾着は持ってないか…。

「どこからそういう情報を仕入れるんだお前は…。」
「あ、湖山さんだ。」
「話を聞く気はないってか…。」

里志は湖山に駆け寄っていく。
置いてけぼりは何となく嫌だったので里志の後をゆっくりついて行った。


湖山はショートカットの髪を耳にかけながら
「あぁ、折木か。」
と言った。

そのタイミングで…先生が笛を吹き「並べー!」と言った。
全員グダグダと列になる。







「ホ―タロー、どうだった?」

50メートル走を測定し終わった俺と里志は他の人が測定してるのを見学していた。

「どうもこうも去年と大差はない。」
「偶然だね。僕もだよ。
 一番早い人のタイムって知りたいよねぇ。」

里志が目の前を走りぬけた男子生徒を目で追いながらそう言った。

「下手すれば1秒近く差があるかもな。」
「全面否定できないね。」

どうやらさっきまで走っていたのが男子の最期だったらしく女子の測定が始まった。

比べちゃいけないのだが、見てるだけでも差があることはよくわかった。


「あ、湖山さんだ。」

里志がスタート地点を見ていった。

周りの走り終わった人たちも騒ぎだす。
「湖山さんって速いんでしょ?」「知ってる!男子と同じぐらいだって噂で聞いたことがあるよ?」「えぇ?それはガセネタじゃないの?」
などなど…。

「…どうやら1人で走るらしいよ。ペアがいないのかな?」
「速すぎて一緒に走りたい奴がいないだけじゃないのか?」

俺も里志と同じくスタート地点を見た。
そこでは湖山が足をぶらぶらさせていた。

「位置について――」

旗が湖山の目の前に降りる。
湖山はラインのところに立つ。
気のせいなのだが、すっ、と湖山が別人になったような気がした。

「―――用意…。」

湖山が右足を後ろに引く。

「どんっ。」

旗がその声と共に上がる。
湖山は無事フライングすることなくスタートを決めた。

その湖山は俺達の前を通り過ぎる。
風を生み出し明らかにさっき走った女子よりも早く走り去った。

「湖山、7.0」

想定係の人が湖山にそう言っているのを俺は聞いた。
湖山は紙に記録をかく。

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(プロフ) - ちゃめさん» 『ちゃめ』さん、コメント&応援ありがとうございます☆ (2012年9月2日 19時) (レス) id: ea0f0213a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リュウ | 作成日時:2012年9月2日 1時

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