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♯40 ―spade ページ39

・・・・・・


体育祭も終わり、世にも奇妙なラブレターは過去の話となった。

もちろん、俺はいつも通り部室に通う毎日だ。

「あ、あれ湖山さんじゃない?」
「うっそ!どこ?こっちゃんどこ?」
「真ん中だよ」

変わったのはわずかに一部。
湖山が陸上部にも顔を出すことになったことだけ。
もちろん種目は短距離。

でも、入部届けは出していない。ただ走りたい、それだけで湖山は陸上部に通っている。
それを受け入れられてしまうところをみると、やはり湖山は別世界の人間なんだろうなとつくづく思う。
陸上部員じゃなくても陸上部員より早い。
そんな湖山を古典部に引き留めておくのはすこし罪悪感があるが、それでも化山はいつも通り素っ気なく俺達にいうだろう。

「は?ここにいるけど?」とあたかも当然のように…。

最近は湖山をライバル視する選手が多いらしく、毎日のように
「勝負してください」とせがまれ
毎日のように
「すまん、いけん」と俺に詫びる湖山が教室に居る。

この前、「やめてほしいよな」と嫌そうに湖山は俺の横で呟いたが
その顔を見る限りそうは思えなかった。

常に無表情なあの湖山が子供のように

好奇心に埋もれる笑顔を浮かべるのは案外レア物なのだから…。


今日も、いつもと同じように放課後には校庭から笛の声が響いている。

終わり ログインすれば
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(プロフ) - ちゃめさん» 『ちゃめ』さん、コメント&応援ありがとうございます☆ (2012年9月2日 19時) (レス) id: ea0f0213a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リュウ | 作成日時:2012年9月2日 1時

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