【氷菓】季節外れの新入部員 (ページ38)

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♯３９　―spade ページ38

俺は湖山とともに、あの人物のもとへ向かった。
あの人物。

名前までは覚えてないが名字は覚えている。

―――星蘭。

湖山はそいつの居場所が分かっていたかのようにまっすぐ向かっていった。
そして、案の定…と言うわけだ。

「何で分かったのヨ」
「逆に分かってもらわねぇと困っちまうのはお前だろ。」
「…気にくわない言いぐさネ」
「要件はすぐ終わる。」
「…どうぞ」

湖山は深呼吸をした。
そして簡潔にただ一言。

「保留だな」とだけ言った。星蘭は目を少し見開いて笑みを浮かべた。

「ランクは上がったみたい」
「まぁ…、嫌いなモン拒否るのはきついっての知ってるし。」
「でも…。」
「未朝か？私は幽霊とか信じねぇから…もう束縛されてねぇよ。
　私を束縛したのは私だしな。」

湖山はそれだけ言うと去っていった。

「ちょっと、どうやってと居たのかぐらい言ったっていいでしょ？」

俺は呼び止められてしまったので仕方なく解き方を教える。
分かれば簡単だ。誰でも１瞬で解ける。

「数字の数通り、頭から数えてそれをつなげるだけだろ？誰でもとける。」

湖山が１。
伊原が５。
秋丸先輩が３。
長谷部先輩が４。
里志が６。
俺が２…。

並べると

こやまはしれ

そんな事を告げたいのは陸上部員ぐらいだと絞られる。
何よりも単純だ。